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21.お留守番


「わざわざお土産持って来てくれてありがとう」

『いえいえ。マスターにはいつもお世話になってますから』


大阪から帰ってきた翌日、あたしはいつもの様に喫茶店に遊びに来ていた。


「それにしてもいっぱい写真撮ったんだね。どれもなまえちゃんが楽しそうに笑ってるから、こっちまでワクワクしてくるよ」

『はい。もうテンション上がっちゃって大変だったんですよ。でも、今度は先生が旅行に行っちゃうみたいなので、ちょっと寂しいなぁって…』

「やっぱり、なまえ君も一緒に来るかい?」

『!?先生!いつの間にいらっしゃったんですか!?』


ふいに後ろから聞こえた声にビックリして振り向くと、先生がニコニコと笑っていらっしゃいました。

本当にあたしが此処にくると先生の出没頻度が高いと思う。

今日は連絡も何もしていないのに、どうしてあたしが此処にいるって分かったんだろう?
たまたま逃げて来ただけ?あり得る。


『あ、この後先生のお家に伺おうと思っていたんですけど、せっかくお会い出来たのでここで渡しちゃいますね。これお土産です』

「ありがとう。ついでに私にも思い出話を聞かせてくれるかい?」


カウンターの隣の席に座って広げていた写真を指差しながら笑った先生に、マスターにしていた思い出話の続きを始めた。
のだけれど、


「おや?これは…」

『あっ!それは友人が面白がって遊んだだけなので気にしないで下さい!』


プリクラも一緒に出してたのはいいものの、服部君と二人で撮ったプリクラまで一緒に出していたらしい。


「なまえ君は旅先でも人気者みたいだね」

『違いますよ!この男の子の彼女がこっちで一緒に写ってる女の子ですから!』

「この二人は付き合っているのかい?」

『いいえ?まだですけど。蘭と工藤くんと一緒で幼なじみだから告白するタイミングがないだけですよ』

「ふむ」


顎に手を当てて、服部君と二人で撮ったプリクラを眺めながら何やら考えている先生。
渋くてカッコイイ…じゃなくって!

いや、だから本当にそれはただのおふざけであって、別にあたしと付き合ってるわけじゃないんですってば!
そんな誤解されちゃったら和葉ちゃんが可哀想じゃないですかっ!!


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