どうだ!と内心叫びながら、笑顔で工藤先生を見てると、工藤先生がフッフッフッと怖い笑いをし始めた。今度は何!?
『工藤先生?』
「堅苦しいな。優作で構わないよ。私たちの仲じゃないか」
どんな仲だっていうんですか!?
さっき逢ったばかりですよね!?
え?工藤先生って実はこういうキャラなの?!
「なまえ君、君は息子のことが好きなのかい?」
『は?』
キャラとしては何年も前から好きでしたけど、何か?
「おや?違うのかな?」
『違うも何も話したことないってあたし言いませんでしたっけ?』
「でも一目惚れってこともあるだろう?」
『あるんでしょうけど、あたしは経験したことないです。実際に話してみないとどんな人かなんて分からないじゃないですか。先入観で人を判断するような人間にはなりたくないですし。
あたしは知り合っていく内に相手を好きになるんです。まぁ、気付いた時にはどうしようもないくらい相手に惚れちゃってるってくらい自覚するのが遅いですけど…』
「ほう。今時の子は君のような年齢でもそんな恋をしたことがあるのか」
しまった!
今自分が中1だってことすっかり忘れてた!!
この人相手にしてると余計なことまで口走っちゃいそうで怖いな。
最初はあんなにガチコチに固まってたのに、今は何か普通に喋っちゃってるし。
「君はそんな素敵な恋愛をしたから、そんなに可愛いんだね」
『え?可愛くないですけど…』
「おや?自覚がない?」
『だから、可愛くないっていう自覚はあります』
「まぁ自覚がなくてもこれからも素敵な恋愛をして磨かれていくんだろうね」
なんか自己完結しちゃった工藤先生。
ま、よくわかんないけど、納得したんならいっか。
この人相手にこっちからツッコミ入れると墓穴掘るだけだって分かってるし。
でも、一体どっから恋愛の話になったんだ?
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