さっきまで瑠架と一緒にいたはずなのに、今は誰もいない。
真っ暗な闇の中、辺りを見回しても灯りも見えない。
『ここ…どこ?』
手を伸ばしてみるけれど、自分の手すら見えない漆黒はあたしを喰らってる気がした。
『誰か…誰かいないの?』
声が震えてる。
あたし、泣いてる?
あたしいつから泣き虫になったんだっけ?
そうだ。楽しさを覚えたから寂しさも覚えたんだ。
『誰か…誰か助けて』
そんなことを言ったって誰も助けてくれないことを知ってる。
この暗闇には、きっとあたししかいないんだから。
『!』
自分を抱き締めて踞っていたら、遠くに小さな光が見えた。
あたしは無我夢中でその光へと手を伸ばして走り出した。
独りはイヤ。
暗いのはイヤ。
あたしを一人にしないで!
『置いてかないで!!』
がばっと起き上がると、あたしはベッドの中にいた。
肩で息をしながら、何処までが夢だったのかを考える。
『あ…れ…?』
零れ落ちる涙に、思わず手を顔につけた。
涙は当分止まりそうにない。
辺りを見回すとさっきまで着てた高校の制服じゃなく、今通っている帝丹中学の制服が掛かっていた。
『そっか。今あたし中学生、なんだっけ?』
ってか、高校なんてとっくに卒業してるんだから、高校の制服があるわけがないんだった。
闇の男爵シリーズも最新刊まで読み終わって、今日は本屋に寄らなかったから、まっすぐ家に帰ってそのまま寝ちゃったんだ…
なんて最悪な寝起きだろう。
今の幸せも消えちゃうって言いたいのか…?
はは…んなの言われなくたって分かってるよ。
だって、此処はあたしの居場所じゃないんだもん。
あっちに帰ったってあたしの居場所なんてない。
あたしは何処にも居場所なんてないんだから…
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