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「みょうじ、残ってた食器運んで来たぜ?」

『ありがと。じゃあそれは水に浸けといてくれる?』

「俺は何をすればいいんだ?」

『んーと、洗い物はあたしがするから、洗い終わった食器拭いてくれないかな?』

「了解」


なんか新婚夫婦みたいだな。
とか思ってたりするのはあたしだけなんだろうな。

なんて食器を洗いながら、ちょっと久しぶりに妄想の世界へ入り込んじゃったり。


「なんか、」

『うん?』

「こうやってると新婚みたいに見えねぇ?」


手に力が入ったせいで、見事に食器が手から滑り落ちた。
何を急に言い出すんだ、この子は!
いや、あたしも考えてたけど!

でも、まだ中1でそんなこと言うか?普通!
あ、若いから思考が柔軟なのか。


『ごめん。すぐ片付けるから』

「危ねぇから俺がやっとくって」

『でも壊しちゃったのあたしだし…』

「どうせ俺は食器拭くしか仕事なかったんだろ?」


バレてたか。
罰とはいえ、元々はあたしの仕事だったんだから、あたしがしようと思ってたのに。

さすが名探偵。
って、此処で使うのは間違ってるかな?

とりあえず食器を洗って、拭いたヤツから片付けてるとまた工藤くんに話しかけられた。


「今日はもう帰んのか?」

『ううん。今日はもう遅いし、荷物の片付けもしてないから泊まって行きなさいって先生が言ってたからお泊まりさせてもらうよ?』

「じゃあこの後、俺の部屋で一緒に本読まねぇ?」

『え?』

「さっき言ってたオススメの推理小説貸すからさ」

『うん、ありがとう』


って、男の子の部屋に入っちゃっていいのかな?
いや、相手は13歳だし、別に危険はない、はず。たぶん。


何か色々考え過ぎてるな。
これは早々に片付け終わらせて、工藤くんオススメの小説の世界に逃げ込むとしますか。


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