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夕食の間の話題は基本的に工藤くんの合宿の話になった。

それを三人で聞いてるって感じだ。
いつもこんな感じで子どもの話を親が聞くっていうのが当たり前なのかなぁとか思ってたりする。


「でね、この前、優作となまえちゃんと三人で買い物に行ったんだけどね」


…いつの間にか、話題があたしに移っていた。
いついかなる時でも有希子さんは健在らしい。
話の主導権がいつ工藤くんからバトンタッチされたのかすら分からなかった。


「そういえば、なまえ君は私の本を読破するのが目標だと言っていたが、達成出来たのかな?」

『はい。ついさっき最後のシリーズを読み終わりました』

「じゃあ、次は俺のオススメの推理小説読んでみろよ」


あたし、まだ先生に本の感想が言えてないんだけど。
話の途中で勝手に区切らないでくれるかな?


「ちょっと、新ちゃん!ちゃんと聞いてるの!?」

「ちゃーんと母さんの話も聞いてるって」

「じゃあさっきあたしが話してたこと言ってみなさいよ」

「それは、だな……」


名探偵、ちょっと危うし?


「ほら、やっぱり聞いてなかったんじゃない!」

「だから!悪かったってさっきから謝ってんだろ!?」

「罰として片付けはなまえちゃんと二人でやってね」

「みょうじは関係ねぇだろーが!」

『あ、ご飯作るの有希子さんが一人でやるって言うから、後片付けはあたしの担当になってたんだよ』

「そうなのか?」

『うん。最近は作るのも片付けるのも二人でやってたからね』

「ホントになまえちゃんがいてくれて助かったわ!あたしもなまえちゃんみたいな娘が欲しーいなぁ?」

「んだよ、その期待の眼差しは!」

「別っにぃ〜?」

「あっそ。じゃあ片付けやっとくから」


俺が合宿で頑張ってるって時に、父さんたちはみょうじの手料理食ったり、一緒に遊びに行ったりしてたわけだ。
ったく、腹が立つ。

そんな事を思いながら、食器を流しへと持って行った。



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