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(番外編)新一side


あれからというもの何かとみょうじのところに行っては、何とか話をしようとしてるんだけど、何故か毎回タイミングが悪い。

俺がみょうじのところに行こうとした途端、みょうじが蘭や園子のとこに行ったり、飯に誘おうかと思っていたら河野も交えて蘭や園子と既に机を並べてたりしている。

さすがに女子が集まってんのを邪魔するのもなぁー…なんて思っていたら、気が付いたらテストが始まっていた。


これってもしかして俺のこと避けてんのか?

なんて考えが浮かんで来た時にはマジで泣きそうになった。
俺、何か嫌われるようなことしたか?


「はぁ…」


とため息ばかりが増える中、気がついたらテストが終わっていた。
…俺、今回のテストの内容全然覚えてねぇんだけど、大丈夫か?


とりあえず一緒に帰る蘭を待っていたら、教室に響いた声にその元凶へと視線を送る。

どうやらみょうじが園子と河野に問い詰められているらしい。
何があったんだ?
つーか、蘭まで乱入してやがる。


しばらくその状況を眺めていたけど、みょうじが解放されたのは随分と時間が経ってからだった。

三人の追求が終わるなり、走り去ったみょうじに、しまった、また話すタイミングがなかったとため息を吐いていたら蘭が俺の所にやって来た。


「はい、新一」
「んだよ、それ」
「なまえからのテストお疲れプレゼント?これ、新一の分だって」
「!?」


何!?
俺の分?!


「マジで!?」
「ん?うん。なまえ、この後予定があるからって、あたしが預かってきたの」


どうせなら本人に直接貰いたかった…
いやいや、避けられてんじゃねーかとか勘違いしてた(んだよな?)くらい今まで見事にタイミングが悪かったんだ。
この位でヘコむな、俺。

とりあえず、みょうじが俺を気にしてくれてたってことだけで今は十分じゃねーか。


最近重かった気分も一気に吹き飛び、家に帰って早速食おうとしたら、カード大の封筒が添えられてることに初めて気付いた。


「なんだ?これ」


入っていた便箋を開いて見るとそこにはずらーっと並んだ踊る人形……
いやいやいや、普通にメッセージ書けば良くねぇか?!
こんだけの文章わざわざこれで書く方が絶対大変だろ!?

とか思いながらも、頭は勝手に暗号を解読しようとしてるわけで…
これだから蘭に推理バカとか言われちまうんだよなぁ…とか思ったけど


【最近元気なかったけど、あたしのせいかな?】


で始まる文章に思考をフル動員させて暗号解読に乗り出した。




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