勉強会の帰り道、なんだかんだと恒例となってきた気がする暇つぶしの先生への電話をしていた。
『もしもし、先生?』
「やぁ、なまえ君。息子が何かしたのかい?」
『よく分かりましたね。息子さんに嵌められて実はちょっと悔しかったりしてます』
「ほう?遠慮せずに、好きなだけやり返してくれて構わないよ」
『まぁ、それは考えてるんでいいんですけど』
「……」
『何だか工藤くんがあたしと話せる場を作ろうと必死になってるみたいで』
「ふむ」
『たぶん先生や有希子さんにあたしの番号とか聞き出しそうだなぁと思って口止めしようかと思いまして』
「息子には知られたくないのかい?」
『もちろん、本人が直接あたしに聞いてきたら教えますけど、先生経由は禁止って方向で』
「分かったよ。その方が面白そうだしね」
『面白そうって何がですか?』
「いやぁ、何。新一のヤツ、学校から帰ってきてから何やらずっと考え込んでいるみたいでね。小説の続きも読まない程なんだよ」
『?何をそんなに考えてるんでしょうね?』
「なまえ君が気にするようなことじゃないさ。どうせ下らないことだろうからね」
先生、言葉と口調が合ってませんよ?
昨日以上に楽しそうなんですが。
『あ、それで、テスト最終日に友だちにお菓子を作る予定なんですが、先生とマスターにもお裾分けしようと思ってるんですけど、何か食べたいものとかありますか?』
「何でも構わないよ。なまえ君の作るお菓子はどれも美味しいからね」
『クスクス。じゃあ当日のお楽しみってことで。久しぶりに喫茶店デートでもしますか?それともお仕事忙しいですかね?』
「いやいや、なまえ君の為に来週までに時間を作っておくよ」
『ありがとうございます。楽しみにしてますね』
来週のテストはちょっと気が滅入るけど、先生とのデートを楽しみに頑張って乗りきるとしますか!
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