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『レオンっ!』
安らぎの一室へ帰ってきた自分の姿を見て胸に飛び込んできた小さな温もり、見上げて潤ませる子犬のような瞳に見つめられたら気取る事を忘れてだらしなく口元が緩む。
『おかえりっ…!』
「ただいま」
胸の中で何言ってるかわからないくらい顔を埋められるのも堪らない、長期任務続きで浮気されてるんじゃないかと抱いていた疑いも吹っ飛ぶ、むしろ疑って悪かったと申し訳ない気持ちでいっぱいになるんだ。
そうして互いに満足するまで抱き合ったら次はお待ちかねのキスへ移る。
俺から触れて名前も返し、近頃では紳士に啄んで段階を踏んでからディープに変えるのが、お決まりのコースになりつつある。
「…っ?」
そう言ったばかりだが、何故か名前に顔を逸らされてしまった。
そして舌の代わりに彼女は俺の鎖骨を食む。旨そうにカリカリと柔く噛んで舐める。
「…ン」
嬉しい奇行だ。彼女の後頭部に手を添えて抱きしめ、好きにさせる、しかし当然大胆さに不安がよぎった。
「…誰に習った?」
名前は答えず行為を続ける。
「名前っ…」
『……頑張って友達に聞いた。………これ嫌い?』
「いいや、っ、」
動物に舐められるよりも繊細に首をかじる。
「俺の仕事がなくなるけど、とても刺激的だよ」
『本当…?』
「是非もっと鳴かせて欲しいね」
言葉は本心だ。たまには女々しく、ぎこちない攻めを受けてみるのも悪くない。
====嬉し鳴き====
「それで…これは『友達』にしてもらったのかい?」
『…それ絶対言われると思った……。………やっぱりやんなきゃよかった……』
「悪かったよ。ただ心配だったんだ痛っ」
『そっちこそなんかシテたんじゃないですか…?』
「まったくキリがないな…。仕方ない、続きはベッドの上でいたたたたたたたた」
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