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「……ン?なんだありゃ…?」
警備員室にある監視カメラ映像を映す沢山の小さなモニターの内、ある一画面で女がカメラに向かって大きく手を振り、何やら訴えかけている。頭がおかしくなる人間は数多くいるが、一応彼女のいる部屋はVIP対応だ。
男は彼女の部屋だけ音量を上げた。
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『お願いッ!!誰か来てッ…!!助けて!!』
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溜め息を吐いた男は無線を取って、ある場所に連絡する。
「オイ、○○○室の女の様子を見に行ってくれねぇか?なんかやたら騒いでんだよ。お前い今近いだろ?頼むよ」
無線の向こうからは怠そうに「了解」と返事が返ってくると通信は切れた。