エトランゼ

浸食されいく自分の忌わしい姿を思い描きます。
緩やかに、足許の影から。
細く枯枝の様な触手が身体を這い上がるのです。
汚染され行く精神。
浸食され行く脳細胞。
思考は破綻、伝達は不能。
窓硝子を生暖かい舌で舐めてみて、初めて外が雨なのだと気付きました。
滲んで居ます。
目の前の景色も、窓の外側も。
ピリピリと痛む酸性雨。
外は雨でした。
飾立てた言葉を、羞恥心は無いのですか?
本当の言葉を伝えて居ますか?
理解して貰おうなんて甘いですよ、出直して来て下さい。
嘘吐き、振舞い、気付けば私独り。
撓やかに伸ばされた手は疾うに末枯れて、歩みを覚束無くさせる罠に為りました。


豈図らんや。


prev / next

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -