何とかもおだてれば木に登る
 うーん……何て言うのかな……。遺伝してないんだよ、殺意が、さ。何で忍に一般家庭出身者が少ないか、考えたことある? 家庭環境? 慣れ? うん。勿論それはあるんだけどね、人を殺せる遺伝子は人殺ししか持ってないんだよね。確かに一般人でも人は殺せるよ。だけどね、かっとなってやった、じゃあお話しにならないんだよ。衝動じゃなくて理性で殺さないと。きちんとした計画を立てて意識して冷静に殺せないと、お仕事にならないでしょ? 親が忍の場合、それが出来るのは七割、親が忍でない場合は四割だ。これは正規の統計データだよ。

 ……それでも君は、こちら側に来たいのかい?


「て言うカッコイイ感じのセリフ考えてみた」
「何でインってそんなに馬鹿なの? いつ使うの? 誰に使うの? それに全く格好良くないのに早く気付いてくれない? 危機感って知ってる? 感じたことある? ボク達今ヤバいの解ってる? 二人もやられてるんだよ? 解ってないよね? 解ってないからそんな馬鹿なんでしょ? ああゴメン馬鹿だから解んないんだよね? 取り敢えず追ってきてる三小隊足止めするよね? いくら馬鹿でも暗部なんだから出来るよね? 一人で出来るよね?」
「テンゾウさん最近辛辣です。三小隊って、え、十二人もいるじゃないですか。わたしに死ねってことですか?」
「馬鹿は死なないから大丈夫だよ。ボクはこの情報持って帰らないといけないし、マコトなら出来るって信じてるからね」
「テンゾウさんわたし今はマコトじゃなくてインです。名前呼ぶとか卑怯です。ズルいです頑張ります。帰ったらご飯食べに行きましょうね」
「奢らないよ」


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