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変わった白子の子供を拾った
馴染みの客へ出前を届けた折に話し込んでしまい、夜半をとうに過ぎて家に向かう途中
その子供は薄汚れた路地の隅、身を隠すように壁に凭れ掛かっていた
着ているシャツからは血が滲み、生きているのかも定かではなかった
あまり関わり合いになりたくないものの、このまま見殺しにしては寝覚めが悪い
力なく垂れ下がっている手首にそっと手を当てて様子を計る

脈はある、浅くだが呼吸もしている

よりにもよって、これからどんどん冷え出すであろうこの時期

仕方なしに子供に腕を回し、背負って立ち上がる

ああ、年相応に重いから乞食ではなさそうだ








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