▼ 十三回目
いやあ、良かった。
ボスのイく表情は驚くほど色気が凄まじい。
最中も強気で色々と罵られるがその瞬間だけは堪らないものがある。
当然スッキリした俺は寝ると言ったボスに追い出されて、どうせならベルの具合でも見に行こうと廊下を歩き始めたときのこと。
前から意外にもサラサラした銀色もつロン毛ことスクアーロが眉間にシワを寄せやってきた。
そのすれ違い様、
「うぉ゛お゛い…クソナマエがぁ、」
「あぁ?…なんだよ」
「鍵つけとけクソがあ!!!殺すぞぉ!」
「……ああ、」
あれ、スクアーロだったのか――と去って行く彼を見ながら数分前の事を思い出す。確か少しだけドアが開いて直ぐに閉まった瞬間があったはずだ。
もし思い切り開けていれば命は無かっただろうな。
「俺だって次覗いたら殺す」
すっかり見えなくなった彼に言い返して、俺もベルの部屋へと止まっていた足を進めた。
「どうしようか」
ボスと違って彼は重傷だから、おさわりとキスくらいしかできなさそうだ。
消毒プレイもいいかもしれない。
未だ興奮が冷めていないせいか、妄想で口許が緩んでいく。そのままの状態で部屋へ辿り着いた俺は、静かに扉をノックした――
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