エテルニタの果て | ナノ
06:観察される
「デブ猫!こっちだ!」
「ナァ〜!」
場所はエラール街道。ぴょーんっとルドガーんとこの猫、ルルが奴の手にあるねこじゃらし目掛けてジャンプする。体重のせいもあってか、届かなかった
「うっわクソだせ!流石デブ猫!」
「フシャー!!」
「おわ…!?っぶねえな!殺すぞ!!」
そしてまたオラオラとねこじゃらしを振り回して走り回るヤツと追いかけるルル。あいつら平和だなおい
「アルヴィン…僕一応研究で忙しいんだけど…」
「まぁまぁ優等生よ、あいつがルドガーに迷惑かけてんのは事実なんだって」
「ちゃんとルドガーに確認したの?」
「………」
「……だろうと思った」
「それでも優しいジュードくんは協力してくれるだろ?」
「…来ちゃったからね」
はぁ、とため息をついた優等生くん。しかし視線はしっかりと二人…一人と一匹を見ている。流石、やることはやってくれるねぇ
「あれ…?」
「お、なんか怪しいとこ発見?」
「う、うん。あの人…さっきより顔色、悪くなってきてない?」
「顔色〜?」
言われてヤツを見れば、走り回るのをやめて普通にねこじゃらしを振っていた。顔色も眉間にシワが寄っているだけで特に気にならない。
「別に普通だろ」
「そうかな…」
「そーそー、いつもの考えす…───!」
どさり、
タイミングを見計らったように、そいつがバランスを崩して、倒れる。
「大変!!行くよアルヴィン!!!」
「お、おお…!」
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