エテルニタの果て | ナノ
15:発覚をする
「やっべえ………」
ベッドの下に紛れていたある紙切れ。宛て先は俺で送り主は色男、ヴィクトルだ。内容は女と旅行に行くことと、この宿の代金に関すること。ある物を宿主に渡せば色男が帰って来るまでの期間分払えるんだと。
その物ってのが随分前に色男から貰ったネックレスらしく────冒頭の台詞に繋がる。
「失くした…」
確かそこらに、ポケット?いいや、ねえ。やべえ。俺が大切に保管するわけがねえ。つうか俺にあげたクセに宿の金に使わせるってなんだよ!
「うっぜ」
クシャ、とそれを丸めて適当に放った。何が旅行だ。
「……、……ッチ」
それに今、ぐるぐる腹の虫が鳴った。気がする。まだ二日三日くらいだろ。どういうことだ。
あのハゲに会ってからというもの燃費が悪すぎる。色男のときは余裕で……
「………そうか」
年齢の問題かもしれない。30歳と…ルドガーは…知らない。。とりあえず血の濃さが違う。ヴィクトルは濃厚で重みがある。それに比べてルドガーは軽い。そりゃあ燃費が悪くなるわけだ。
つまり?
「………一週間も持たない」
はぁあああ、と色んな意味を含ませて息を吐き出した。そして目を閉じる。
もう少し、時間がほしい。
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