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妙な気まずさが残る中、クレープの他にもバニラのクッキーとかチョコレートとかも買って俺達は家に帰ってきた。


「うわ」


「名前くん?」


「いや、何でも」


「………」


上着から携帯を出したついでに確認すれば、ある意味迷惑なメールを何通か受信していた。自業自得っちゃあ自業自得だけれど。


「今日カレーでいい?」


晩飯。


携帯をリビングの机に置いて、上着を脱ぎながら少し後ろで同じく上着を脱ぐ彼に聞いた。メニューを考えるのが面倒だったのは内緒。


「はい、大丈夫です」


「了解」


無事―というより無論了承を得て今日の晩飯はカレーに決まった。


「…………」


「…………」



なんて言ってみたけれど晩飯云々はどうでもいい。


この空気をどうにかしたいのが本心。俺もテツヤもあんな冗談半分でこんな空気になるような事は無かったはずだ。

どうした自分。



「……―テツヤ、」


「…、はい」


「ちゅー、する?」



あ、恥ずかしい。


多分、いいや絶対顔が赤い。テツヤは俯き気味でよく見えないけど、耳は染まっていた。


「………」


「こっち向いて、」


テツヤの肩に手を置いて、唇の近くまで屈む。

そしてほんの少し顔を上げた隙に唇を重ねた。


ちゅっと下唇に吸いつく。


「…ん…っ…」


もう一度重ね合って、ゆっくりと離れた。


「……――…カレー作ってくる」


「あ…はい」




余計に恥ずかしくなった。




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