▽11日



闇鍋。

せっかく美味しいだろう鍋を作ったのにこれから行われるそれで台なしだ。


何やらテレビで闇鍋特集が放送されていたらしく、それをたまたま見ていた征十郎くんが面白そうだからやろうと、キセキの世代に連絡をしたらしい。俺を巻き込んで俺達の家にまで押しかけてきて。



「全員、取ったな。電気をつけろ」


点けたくない臭いがするが、ぱちんとスイッチを押した。


自分の取り皿を見た全員の眉間にシワが寄る。


「な、何入れたんスかこれ……」


「最悪。こんなの食えるわけないじゃん。黄瀬ちんあげるし」


「ちょおお!?いらないッスよ!!!って青峰っちまで!!!!」


「おー食え食え」


どばっとキセリョの取り皿に紫くんとあおみねくんの分が加わった。グロい。


テツヤはもちろん、真太郎や企画した征十郎くんの三人は無言で取り皿を見つめていた。


俺のもやばい。まず鍋の汁が変色してる。ミルクチョコレートというか、なんというか……。そんな汁につけて食べる肉……吐きそう。


「僕は豆腐を入れたが…誰か汁物でも入れたのかい?」


確認するように征十郎くんが取り皿から顔を上げる。僅かにテツヤと真太郎が反応した。

まさかミルクチョコレートのミルクはバニラシェイクだったりするの?なら真太郎は…何を――


「まぁいい。敦から順番に何を入れたのか発表していこう」



ゴクリと誰かが唾を飲み込んだ。


ほんとに何入れたんだ。




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