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「ただいま」


「おかえりなさい」


「今日大丈夫だった?」


「はい。でも、疲れました」

ぽすっと俺に抱き着いてきて擦り寄ってくる。やっぱり病み上がりってかわいいよ火神。明日報告してやろうかな。


「名前くん、眠たいです」


「ん?寝ていいよ」


ぴったりくっついたままソファーまで移動して、テツヤに膝枕してやる。暖まったリビングは直ぐに眠気を誘うだろう。


「足、痺れませんか?」


「さあ。気にしたら負け」


「そのときは起こしてください」


「俺が起きてたらな」


さらさらの水色を撫でながら、たわいもない会話をする。こんな時間はつくづく幸せな時間だと思ってしまうのは、きっと俺だけじゃないはずだ。


「毛布とかいらない?」


「はい。暖かいので」


「そう」


「…、名前くん、」


「うん」


「すき、です…」


「ふ………、俺も」


好きだよ――と返した言葉がちゃんと届いてるかは分からないけれど、心地好さそうに瞼は閉じられた。


それからの俺の行動は自分でも引くほど早く、ポケットにあるスマホを取り出してカメラモードに切り替えた。ぴとっと画面をタッチして目の前で丸くなっているテツヤを撮るためだ。あと5枚くらいいいかな。よし。


「テツヤかわいい…っと」


今度はメール作成画面に切り替えて、画像を添付する。宛先は火神だ。惚れるなよ。


そして数分後、返ってきたのはうざいの三文字でした。

だから彼にも火神もかわいいよと送り返しておいた。


「あ……」


かっこ笑い忘れてた。




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