▽26日



頭痛い、二日酔いかなあ、
二日酔いです。

今朝はそんな会話から始まった。大丈夫。火神と氷室さんが帰っていくまでは記憶にある。脱いでない。と何度も確認しながら大学へ向かっていれば
ばっちり、

本当にばっちりだ。公園で可愛らしい女の子といるキセリョと目が合った。邪魔をする気はないので早々に通りすぎる。しかしその数分後、


「苗字っち〜!」


お久しぶりッス〜と俺の後を追いかけてきた。いつ見ても笑顔だ


「彼女、ほったらかし?」


「え?!あ、いや!あの子は違うッス。俺のファンで」


「ふーん…」


あの子は、ということは彼女はいるのだろうか。ひとりやふたり、はたまたさんにん。簡単に想像が出来る。


「ホントッスよ!そーいう苗字っちはいるんスか?」


「ああ」


「ええっ?!」


流すようにキセリョと会話していたら、思わずぽろりと肯定してしまっていた。危ない。


「年上ッスね?」


「……違うけど、」


「年下?!」


「同期」


「同期?!何年目ッスか?」


「5年」


「…え?マジ?」


「嘘ついてどうするの?」


「そ、そーッスけど!5年って!」


ひーふーみーと計算して中学がどうとか高校がああだとか一人あたふたしていた。俺は俺でキセリョとなんて話をしてるんだと我に返る。まだアルコールは抜けきっていないらしい。今日の俺は口が軽い。話題を変えよう


「講義、ないの?」


「あ、えと、ないッス!」


「ああそう」


もうすぐ大学だ。もちろん人が溢れてくるわけで、周りからヒソヒソとあれ黄瀬くんだと聞こえてくる。隣にいるのは苗字くんだよだとか。ちらりと確認すれば同じ学科の子だった。あの子キセリョ好きだったっけなあ


とにかく囲まれるのはごめんなので隣の黄色を蹴飛ばしておいた




/






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -