▽■ 「じゃあ、俺たちは帰るよ。今日はご馳走さま。名前…いや苗字くん、黒子くん、おやすみ」 「はい、おやすみなさい」 「……おやすみ」 ガチャン、と来たときよりは静かに玄関は閉められた。同時に俺とテツヤからため息がこぼれる 「疲れました」 「氷室さんはメンバーに入ってなかったからな。っていうか、あつい」 「………飲み過ぎです」 「…酔ってないって。ギリギリ、でも、」 気が抜けたせいか、酔いが回ってきた気はする。やっぱりちょっと飲み過ぎたかもしれない。火神には勝てたけれど、氷室さんは手強かった。最後まで余裕の微笑みで帰って行ったのだ。負けた。 「水、飲みますか?」 「んー…ぬいでいい?もうむり」 答えが返ってくる前に重ね着していたシャツを一気に脱いだ。暖房の効いていない玄関はひんやりしていて気持ちいい 「テツヤもぬぐ?」 「……――そうですね。じゃあ」 「は…、、ちょっと、ストップ」 躊躇もなく服に手をかけたテツヤの手を掴む。何考えてるんだこの子。風邪引くのに。ああいや俺も半裸だった。あれ、なんで脱いだんだっけ? 「名前くん、しっかりしてください」 「うん?ああ…」 顔に出ていたのか、テツヤはそう言ってぺちっと俺の頬を叩いた。駄目だ、頭の処理が追いつかない。記憶が曖昧になってきたぞ 「テツヤ、」 「はい」 「まだ、25日?」 「…いえ、、ちょうど26日に」 「そっか」 「名前くん?」 「メリークリスマス、でした」 確かまだ言ってなかった、ような、言った、ような。どちらにせよ満足した俺は彼に寄り掛かった。 「かわいい酔っ払いですね」 「―からかうな」 テツヤのがかわいい ← / → |