▽■ ぴちゃん、とひとつ雫が落ちた。それは湯舟に丸い模様を生み出して、広がる。今はテツヤと一緒にお風呂だ。実はあれから帰ってすぐ、俺は言葉通りテツヤをおいしくいただいた。ご無沙汰なのもあってか、すごく興奮したのは記憶に新しい 「かわいかった」 「……」 「俺好みになってきたかな」 「…名前くんは意地悪です」 「たとえば?」 「そういうところ」 「恥ずかしいほうが気持ちいいくせに」 「な……」 かあっと頬に色が増した。湯舟に浸かっているからか、よく目立つ 「優しいのは物足りなく感じるよ、もう。今度やろうか?」 「やめてください…っ。名前くんはボクをどうするつもりですか」 「ふ、それどこの台詞。どうもしないよ。可愛がってるの」 「…………違う意味に聞こえます」 「まあ明日はパーティーだから、楽しみにしてて」 「逸らしましたね」 「サンタも来るよ」 ちゃぷんと顔を洗って、ほう、と一息。テツヤと目が合った。充分に温まって、肌も色づいている 「……あがる?」 「名前くんからどうぞ」 「ん、じゃあお先に」 濡れてぴったりと張り付いている水色を撫でて、シャワーの蛇口を捻った―― ← / → |