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風呂上がり。
ブオオオオとドライヤーでテツヤの髪を乾かしていく。されるがままだ。


「眠たい?」


「はい…」


「もう終わるから」


「がんばります」


「今日、火神ダサかったよ」


「何かしたんですか」


「なんで?」


「そういうときは大抵名前くんが関わってるので」


「さあ。でもよくわかってる。俺のこと」


「それでも名前くんは分かりにくいです」


「テツヤに言われたくないな」


ただでさえあまり表情が変わらないのだ。人間観察が好きな彼のほうがいろいろと分かることのが多いだろう


「はい、終わり」


「ありがとうございます」


「…っと、」


眠気がピークに来ていたのか、スイッチを切ると同時にぽすんとそのまま俺にもたれ掛かかってきた。


「テツヤ、ドライヤー直さないと」


「……動けません」


「横にくらいなれる」


「なれません」


「なれる」


な、と彼の肩を押してベッドに横にさせた。綺麗に枕が沈む。けれどテツヤは不満げに俺を見つめたままだ。ドライヤーを直すくらい1分もかからないのになあ


「名前くん」


「うん」


「……キスしてください」


「なに、恋しくなった?」


そっと彼の前髪をかき上げて、言葉通りにちゅ、と唇を重ねてやる。


「…――」


「ん、おやすみ」


「はい……あの…明日は、一緒にいてください」


まだ不満げな彼は小さくそう言って瞼を閉じた。もしかしたら昨日部屋に押し込んだことを根に持っているのかもしれない。明日はちょうど休みだから、デートにでも連れていくか




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