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「どうしたんですか、それ」


俺の手荷物を見て、驚いたような声をあげたテツヤ。俺もこれはどうかと思う


「買ってくれた」


「紫原くんですか?」


「違う」


「……」


違うんかい、とでも言った風に彼の表情が変わった。確かにこれは紫くんだと決めつけてしまうだろう。なぜなら俺が持っているのは袋いっぱいのポテトチップスなのだ。あの後試合に勝った俺は室ちんとやらに欲しいものを聞かれて、ポテチと答えた。お疲れ様の褒美としては多すぎる


「……一体誰に」


「知らない奴」


「新しいナンパですか」


「ポテチで釣るのはいないだろ。紫くんの知り合いだと思うけど。紫くんも一緒だったし。あ、室ちんって呼んでた」


そこでテツヤがああ、と何か納得したような態度を見せる。


「知ってる?」


「氷室さんだと思います」


「氷室さん?」


「詳しいことは火神くんが知ってるかと」


「火神が…?まあ、どうでもいいや」


暫くおやつはポテチだなあと思いながらそれをお菓子入れに直した。とりあえず飯を作らないといけない


「名前くん」


「ん?」


「あの…明日、遅くなります」


「じゃあ明日は飯いらないか」


「………はい」


冷蔵庫から野菜を取り出していた俺は、返事に間のある彼を不思議に思って振り返った。てっきりいつもの無表情だと思っていたけれど、考えごとでもしてるのか、ぼーっと机を見つめている。


「テツヤ?」


「!、、はい」


「大丈夫?」


「大丈夫です」




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