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その夜、昨日残ったカレーと生野菜を盛りつけて、テツヤの帰りを待った。もうすぐ帰ってくるはずだ


そして俺が椅子に座ったとき、ガチャリと玄関から音が鳴った。テツヤだ



「おかえりテツヤ。あの、」


「…火神くんと青峰くんですか?少し反省してもらうよう言っておいたので大丈夫ですよ」


「そう…?」


「はい、安心してください。黄瀬くんにはバレてませんので。名前くんはボクが守ります」


「あ、うん」


男らしい表情で男らしい言葉を紡いだ彼。大丈夫と言ってるのだから大丈夫なんだろう


「テツヤがそこまでする理由知りたくなってきた」


「いきなりですね」


「…興味湧いた」


「名前くんのことが好きだからです」


「……ごまかしてるそれ」


「…名前くんが、美人だからです」


「テツヤかわいい」


「………早く食べましょう」


「あはは」


まだごまかしてるだろ、とは言わなかった。無理に聞き出してまで知りたいわけではないから、いいのだ


「名前くん、明日は講義ありますか」


「ないけど…シたいの?」


「違います」


カレーを掬う手を止めて、無表情で言われた。どうやら今日は男らしさが勝っているらしい。


「デート?」


「新刊が出たので」


「あ、この前貸してくれた人の?」


「はい」


「また貸してよ」


「もちろんです」


ふ、とほんの少し笑ったテツヤ。やっぱりかわいい


「お風呂、一緒に入ろう」


「……嫌ですよ」


「ちょっとだけしか悪戯しないから」


「する前提の名前くんは危険です」


「ケチだな」


つい最近調子に乗ったことを根に持っているのか、俺からテレビに視線を移してそう言った。まあ彼の言うとおりなので今日は諦めようかな




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