▽■ 「火神くん、助けてください」 自分の講義が終わってすぐ、ボクは名前くん……火神くんの大学へ来ていた。 ベンチに座ってバスケの練習をする彼を見ながら、もう一度同じ言葉を繰り返す。 「助けろって、何をだよ」 「言い直します。相談に乗ってください」 「相談?」 そこでやっとバスケをやめて彼はボクに振りかえった。 そのまま止まったボールを見つめて言葉を続ける。 「はい。その……名前くんと上手くいってなくはないんですが、、ちょっとあれなんです」 「……ちょっとアレ?」 「最近、赤司くん達を構うようになってきました」 「……………………」 「今日は緑間くんと仲良くしてると思います」 「黒子、」 「はい」 「…………いや……やっぱなんでもねぇ」 呆れたような視線を向けられて、火神くんはまたドリブルをはじめる。 「気になるじゃないですか、言ってください」 「苗字も苦労してんなって思ったんだよ……」 「どういうことですか」 「さぁな。……ほらよ」 パシッとボクにボールが飛んできて反射的にそれを受けとる。 「1on1」 「…………相変わらずバスケ馬鹿、ですね」 「な……っ!!黒子もだろ!!」 「否定はしません」 バスケは好きです。 ← / → |