ある技とともにドシャアアッとヴァリアー隊が倒れ臥す。


｢取り違えるなよボンゴレ、オレはおまえを助けにきたのではない。礼を言いにきた｣


｢ランチアさん！！｣

｢なんれあいつが？あいつあんなつえーんらっけ？｣

｢強いよ｣

｢他人に操られるのではなく自分の意志で戦うあいつには迷いがないからな｣

『ていうより、綱吉くん意外と顔広いな…』


彼は確か、北イタリア最強と言われていたはずだ。


｢ししし、そーきたか……そんじゃあ……とっとと済まそっと｣


けれどそう簡単に動揺する奴らじゃあなかった。何の迷いもなく、ベルフェゴールは綱吉くんへとナイフを投げつける。

だがそこは家光さん抜擢のボンゴレファミリー。山本が刀で弾いた。やるなあ


｢ムム…こうなってくると…―――ムギャ！？｣


｢逃がさない｣

｢ねえ、決着つけようよ｣

｢いかせんぞ｣

｢10代目！お怪我は！｣


｢ありがとう…大丈夫｣


と、それぞれなんともまあ格好のいい登場をする皆さん。彼らは将来いいボンゴレファミリーになってくれるのではとほんの少し思った。ほんの少しだ。

こうなるとヴァリアー側も勝利が見えないと判断したのか、早くも降参の態度を示す。


｢ダメだこりゃ｣


｢ウム……ボス…ここまでのようだ…｣


｢はっ………役立たずのカス共が…―くそ！ちくしょう！てめーら全員！！！呪い殺してやる！！――ぐはっ！！｣


｢……XANXUS様、あなたを失格とし、ボンゴレリングを没収します｣


｢ふっ…チェル…ベロ…おま…え達の……望み通りだ……予言が当たり……満足か……｣


｢お言葉ですが……これは我々の望みでも予言でもありません。全ては決まっていた事―あなたは役割を終えたのです｣


｢…………タヌ…キ…が……うう…――｣


そして、ザンザスはゆっくりと瞼を閉じた。限界がきたのだろう。奴の言い分を聞く限り、チェルベッロ機関とやらはヴァリアーを支持しているのでは無いらしい。

これは落ち着いたら門外顧問で調べたほうが良さそうだ。


｢お疲れ様でした――それでは、リング争奪戦を終了し、全ての結果を発表します｣


｢XANXUS様の失格により、大空戦の勝者は沢田綱吉氏―――よってボンゴレの次期後継者となるのは沢田綱吉氏とその守護者6名です｣



｢よくやったな、これで帰れるぞ｣


｢……みんな…――｣


どさっと一気に疲れが押し寄せたのか、綱吉くんも意識を失った。お疲れさま…なんてな。


『あー終わったー…バジル、おんぶ』


応援する側も応援する側、のっしり後ろから彼に体重をかける。


｢え！？し、少々拙者には無理があると思います｣


『はあ？……じゃあ俺が運ぶわ』


｢うわあっ！？名前さん？！｣


横抱きにしてバジルを抱え込む。やっぱ軽いな。チビだもんな


『ってことでお疲れ様です皆さん。俺達先帰りまーす』


｢あ…お、お疲れ様です！！沢田殿にもそうお伝えください！！｣


そして並盛中学校から踵を返したのだった



｢あ、アイツらこんなときに…！！特にあのいけすかねー野郎！！｣


｢ほっとけ、あいつらはアレが普通なんだ。確かにカンに障るがな｣


｢リボーンさんもそう言いながら怒ってるじゃないスか！！｣


｢気のせいだぞ｣


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