「なーマティスくーん、ミラちゃんがさーおっぱい揉ませてくれないんだよー」


満開の桜の下で、カラカラと花びらが落ちるようにお箸を落とす目の前の彼。予想通りの反応ですこと。あのときのように卑猥な映像が流れているのかもしれない。それもまた健全な男子である。


「だからさーマティスくんのおっぱいとか、狙ってみようかな」


「待っ、、うわあっ!」


後ろからすっぽり抱き寄せて、膨らみのないそれを揉んでみた。どくどくとマティスくんの脈が伝わってくる。当の本人は純粋らしく耳まで真っ赤だ。このままあんなことやこんなことしてもいいんだけどなあ、、


「ううん、やっぱり、お花見しよう」


せっかく作ってきてくれたお弁当が台なしになってしまう。俺だって空気は読めるんだからな。


体勢はそのまま、俺は卵焼きを摘んだ。


「はい、マティスくんあーん」


「………、」


ぱくん、と何も言わなかったけど、卵焼きを食べてくれた。彼も空気が読めるみたいだ。


「おいしい?」


「うん…。でも、僕が作ったんだからそれは僕が言うことだよ」


「まあね」


俺はそんなマティスくんを見てるのが好きだからいいんだ。晴れてよかったなあ。神様ありがとう。



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