「マティスくんマティスくん、」 「なに?おなまえ」 「セックスしよ」 「へ?!」 途端にぱくぱくとお魚みたいに口を動かして、かああっと頬を真っ赤に染めたマティスくん。かわいいなあ。今彼の頭の中ではどんな映像が流れてるのだろう。見かけに寄らず卑猥かもしれない 「しよーよー。欲求不満で死にそう。俺のでイかせてあげるから」 にっこり笑ってみたけれど、マティスくんはフリーズしたみたいに動かない。ちょっとからかいすぎたのかなあ。純粋な彼には刺激が強すぎたかもしれない。 「あ、見てマティスくん。桜、キレイだよ」 ちらりと見た窓の外で、ひらひらと花びらが舞い落ちる。満開まではもう少しありそうだ 「もーしっかりー冗談だよ。」 「わ…わ、わかってるよ…!」 「でさあ、今度の休み、お花見やらない?」 きっとその頃には満開で、直ぐに散ってしまう。そして夏が来る。 「……いいけど、どこでするの?」 「がっこー。」 「それ、入って大丈夫なの?」 「さあ?」 「…だろうね」 はあ、とため息をはいて、先生に許可を貰ってくると教室を後にしたマティスくん。どこまでも優等生だ。けれど今度の休みまではちょうど一週間。そんなに楽しみなんだろうか。 「まあ、かわいいけど」 ← / → |