もうどのくらいこうしていただろうか。はあ、と息をすれば白いもやもやとしたものが現れて、消える。冬なのもあって、日没は早い。その辺りにいた子供達ももういない。俺達はふたり銀色の世界に包まれていた。彼は相変わらず俯いたままだ。どうしよう。 「………い、いつ、帰る?」 「………」 「おーい…マティスくーん、」 からかいすぎたのかなあ、調子に乗りすぎたのかなあ、名前呼ばないほうが良かったのかなあ。焦りようがまったく自分らしくなくて、苦笑した。それにほんとに好きなんだなあとも再確認した。 だから、もうどうにでもなれ、とかわいい顔が見えるよう前髪をそっとかきあげて、唇にキスを落とした。嫌じゃないって言ってたんだし、もう、いいよねえ。案の定驚きと羞恥でその白い肌は真っ赤だけれど。 「ジュード、好き。これほんとだよ。ねえ、」 ジュードは? もう一度聞いたそれ、今度は返事がかえってきた。こくりと頷いただけなのだが、僕も好きだということ。青春だなあ。 「ふふ、さっきのジュード、いじけすぎ。かわいかったけど」 「い、いじけてないよ!!」 「ふーん。あ、このまま俺ん家においで。いっぱいちゅーしてあげる。」 ぼふ、とまた赤く染まった。よく照れることですこと。 ← / → |