「ふおおおおマティスくん!!寒い!寒いなにこれ人肌が恋しいよマティスくん!!」


公園のベンチ、帰ってすることもないからとお話するために座った。だというのにセック、と思わず飛び出てきた単語は言わせないと彼に鳩尾を殴られて途切れる始末。最初の頃と比べると成長したねえ。顔真っ赤にするだけだったのにねえ。暴力は良くないよ優等生くん。ところで皆はいつのまに俺の行動をマスターしたの?取扱説明書でもあるの?


「慣れってこわいねマティスくん…。」


「え…?」


「だって気づいたらミラちゃんといばるんに俺の行動パターン読まれてるんだもん。あ、マティスくんもね。スまで言いたかったのに」


「…おなまえは一定だからね。」


「えー」


「でも、理由はそれだけじゃないよ?皆と打ち解けてる証拠っていうか、おなまえだって、皆の行動とか言葉とか、無意識のうちに分かってるだろうし…だ、だから!その、慣れとかとはまたちょっと違うんじゃないのかなって!」


「ふーん?じゃあ、ジュードのこと好き」


「なっ?!」


ぼふ、と音が出るみたいに彼の頬が染まった。確かに今の反応は考えなくても分かるのが普通である。無意識のうちに入るのかは分からないけれど。


「ジュードは?」


「っ……に」


「??」


「そ、そんな…簡単に、おなまえって…なんで、いつも、、」


眉間を寄せて俯いてしまった彼。あれ、どうしよう。予想では照れながら怒るのかと思ったんだけどなあ。どうしよう、俺まで恥ずかしくなってきたや。


寒さがどこかへ行った瞬間だった。



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