「……よしっと。AKUMAの反応は?」

コロン、と今回の目的だったイノセンスを手にしたなまえが、僕に確認をとる。

「アレン?」

「!、は、はい……!もう、」

発動により紅く染まった彼の唇。AKUMAと対峙しているときの表情は、想像もつかないほど酷く冷めていた。

それは目的地に着いた途端の出来事で、AKUMAが見計らったように襲いかかってきたのだ。最も反応に遅れた……のは僕だけだろう。なまえは焦りもせずに退治にかかっていたのだから。

「なんだか小難しい顔してる。簡潔にしよーか?」

「、簡潔……?」

パタパタと避難していたティムキャンピーがまた彼の頭に止まる。

「ちょうど俺の話する前に到着して途切れてたしね。クロスさんは、俺の命の恩人で、俺を教団に入れた人だよ。あと、今のAKUMA達はノアの差し金でー……んー。。まぁとあるノアが俺らの後ろの席にいたんだ。そいつがAKUMAにチクったんじゃないかな」

なんせアイツだし、
と何かを知った風な口振りで呟いていたが、それは流して、たった今流れ込んできた情報にぐるぐる頭が回る。だって、え?師匠が、なんだって?

「最後に、俺のイノセンスが唇だってことには気づいたと思うけど、実はこんな便利な機能もあるんだ」


にこり、

綺麗に微笑んだ彼は未だぐるぐる頭を回している僕に近づいて、ちゅっとその紅い唇を僕のそれに重ねてきたのだった。




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