「ぉ、終わった〜〜!!!!!!」
ドカッとその場に腰を下ろす。あの女の子だけかと思いきや、レベル2が次々と現れて、息つく暇もなかった。最近のAKUMA、特に雑魚は集団行動が趣味のようだ。伯爵がそのように手を回しているのだろうが、ちょこまかと腹が立つ。
そんな苛々を落ちつかせるためにも、目を閉じてすうっと深く酸素を吸い込んだ。
「ラビ、」
ジャリ、と砂を踏む音。目を開ければ、たったの今まで背を預けて戦っていたなまえの靴先が目に映る。そのまま自然と顔を上げれば俺に対して息ひとつ乱れていない彼。
「体力馬鹿さ?ちったぁ疲れろよ〜!俺がひ弱みたいさぁ」
「そんなこと。あんなでかいの振り回してたら疲れるよ、誰でも。ねー、しんどい?」
「でかいっつっても俺には重くもなんともないんさ。スタミナの問題だっての!フツーにしんどいさ!」
「うん、そっか。じっとしてて?」
「は?」
なんて、文脈の接点が見つからぬまま、両肩に彼の手が置かれたと思ったら、ちゅっ、と口端に何かがあたっていた。
それは一瞬の出来事で。
今度は俺が理解するまでに色づいた唇が近づいてきて、
「元気になった?」
「!、ッ、…………」
ご丁寧に耳元で囁いていただいた。
こ、コイツ何なんさ!?確信犯か!?!?
いや、っていうか!俺!
ほぼキスされ…………
「………………じじいが見える……」
「ラビ??えっ、ちょっと、冗談―――」
ついに頭がショートして、ばたっと暫く目を回したんだとか。
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