06
「……うんうん。うん。いける」
買い物に行く前、バイトがしやすくなるだろう方法とやらを試してみた。
ただワックスで髪の毛を弄ってやるだけだが、なかなかいい感じだ。昨日より俺好みになった。
「これでそこのコンビニに雇ってもらいな」
確か店長が人手が足りないと言っていたはずだ。家から近い方が都合がいいだろうし、俺も常連客で色々と心配が減る。
「いきなり見ず知らずのここで働くのが嫌なのは分かるけど、俺そこまでお金持ってないからさ……欲しいものとか買ってあげられない」
たとえば、鯖とか。
さっきの鯖の食いつきようから適当に言ってみたら、どうやら本当に鯖が好きみたいですぐにハッとして「わかった」と言ってくれた。そんなに好き??あとで検索しておこう。
「それじゃあ、出るよ」
車のキーを手にとって靴を履く。遙君の靴は今は俺のサンダルでいいだろう。
「服と靴、とー……」
「水着」
「あぁ水…水着??」
「一枚じゃ足りないだろ」
「…そーですね」
む、となんか怒られた。
生意気な。
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