過去から今へ

Step.2 先輩のスタンドと!

ところ変わって苗字家
帰って来ました愛しの我が家。後ろに予定外の大物もいますが諦めも肝心ですよね。客室も掃除してありますし干したておふとんは空条先輩に譲ります。恋しいのは事実ですが客人を冷たい布団に寝かせる訳にもいきませんしね。愛しのおふとんがぺちゃんこにならないかが心配です。


「どうぞおあがりください。スリッパはそこです」

「おう。お邪魔する」


その巨躯が床を踏んだ瞬間、みしりと鳴ったような…うちは鶯張りでなかったと思うんですがね。さすがと言いましょうか。自販機を見下ろす背丈は伊達じゃ無いようです。土間に靴を脱ぎスリッパに履き替えるとのっそのっそと私の後に続く空条先輩。天井に当たらないか不安ですね。あと個人的にはきっちり靴を揃えたあたり驚きました。ああ見えて几帳面なんですね。豪快に脱ぎ捨ててくるかとばかり。


「突き当たりがお手洗いです。ここが居間なのでごゆっくり。あとで寝室に案内しますね。ああ、食べれないものあります?」

「いや、無いが…「じゃあ大丈夫ですね。和食洋食中華何がお好みで?」和食がいい」

「いやメシなんざどうでもいい。制御の方法を教えてくれ」


…元気な事で。うちに着くまでに何度も出てくる
度吸収してたのにこの元気、制御できたら化けますね。ぐっと増した威圧感に意識が逸れました。口でダメなら体に教えるしか無いですよね。


「…ついてきてください。明日にしようかと思いましたが繰り上げます。」


振り返った先には苛立ち不安げな大男。不安と怒りを同時に表わすとは器用な事で。叔父がくっつけた茶室の反対側、父譲りの道場を目指します。あそこなら人目につきにくく壊れても問題ない。どうせ誰も使わないデッドスペースです。未来ある若者の糧にしちゃいましょ。

無言で歩くこと数分、この気まずさったらありませんね。やっと着いた道場は薄いカビとホコリとヒノキの匂いに満ちています。最近掃除サボってたのバレちゃいそう。ま、そんなこと関係なくなるでしょう。

「ここは…」

「使ってないので容赦は無用。今から先輩を殺しにかかるのでがんばってください、ねッ」

「なッ、」

バキャッっと音が響きます。

いい終わる前にスタンドの拳を打ち込みます。
木が裂ける音がうるさいですね。もとよりスタンドは本人の精神エネルギーが形を持ったもの。本人の意思とスタンドの行動を一致させパスを繋げば手足より自在にできる。発現したてで不安定なら無理にでも開通させてやればいいだけのこと。


「かわしましたか、さすがですね。でもスタンドだけじゃあないですよ?」

「ッ、てめぇなんのつもりだ?!」


ビュッと左足が空を切る。訳あって二年前に義足にしたのでまともに食らったら骨の2、3は逝くでしょうね。のろまで強力なスタンドと身軽でひ弱な本体、我ながら良いバランスです。


「……さて、なんででしょう」





かれこれ数時間が経ちました。
いい加減決めたいところです。明日も学校ですし夕方から殴り合ってるのでもはや深夜ですよ?!お肌の敵ってレベルじゃないわ。ごはん食べ損ねたし、おふとん取り込んでないのに!

…だいたいコントロールしに来てるのになんでスタンド出さないんですかこいつは!!
女だから?おれのスタンドの拳は鉄を曲げる?だからなんだってんですか。私の餓者髑髏だってできるし!いやまぁ生身で避けれる程度の速さしかないので無機物くらいにしか当たらないですけどね。


本気で殺さないと終わらないか


回し蹴りをした後左足を軸に右回転。一度背を向けつつスタンドの半身を私を核に発現。グッと前傾し倒れこむ勢いのまま地面を蹴り加速。そのまま餓者髑髏の右腕で先輩を薙ぐ。距離をとろうとこの大きさでは無駄な事、私が動かなくても十分届く


「この間合いは私のもの、もらいましたッ!」

「……グッ、 てめぇ……」


ぎゅっと先輩を握ります。この分なら相当苦しいはず。それでも睨みつける気迫は大したものです。指先で気道を押しているので息ができないのか顔が赤いですね。おお色っぽい。同時にエネルギーを吸収しているので持久戦では私の有利は揺るぎません。あとは弱らせてプチっといけばいい


「捕まえましたよ…よくもまあちょこまかと動くものです。さて、死ぬ準備はお出来で?」

「……こそ、」

「はい?」

「…てめぇこそ、できてんだろうな……その準備ってやつを!!」


先輩は不敵に笑ったかと思えばスタンドで床にを、

…床を?






ピシリと木の裂ける音。そのまま亀裂は餓者髑髏のつけた傷と繋がり大きく、伸びる先は足元。
…してやられましたね。スタンドを出さなかったのはその必要も無かったという事ですか、
散々ダメージの蓄積された床は私の体重を支える事もできずに割れる。退くにも餓者髑髏で支えるにも速すぎる速度で木は砕け床下へ、




「…実地で覚えろ、という事か。せめて一言言ったらどうだ?」

「そしたらリアリティが死ぬじゃ無いですか」


落ちる間際に伸びたのは青い腕。コントロール、できたみたいですね。きっちり出し抜いた上で意図を見抜きアフターケアまでバッチリとは流石。予想以上に長引きましたが十全ですよね!






「ところでご家族に連絡とかは…?」

「……してねぇ、な」

「……マズくないですか?」

「…電話貸してくれ」


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