ヒラリと学ランの裾が舞う
そこから覗くローファーは、血の気無く倒れる女の肢体を踏みつけ主人の元へと向かう。足取り危うく、夢遊病患者の様だ。タンクトップの下の肌は赤くじっとりと汗ばんでいる。吐息は熱く、その体はひどく熱をもっていた。

ようやくたどり着いた天蓋の下
扉からベッドまではさほど遠く無いはずであったが、承太郎は息を切らし崩れ落ちるように床に倒れた。焦点の定まらない目で、その体の持ち主を見上げる。承太郎にはそれしか許されていない。もはや血の一滴、 肉片一つすら承太郎の物ではない。全てはDIOのために。怨敵であった吸血鬼に捧げてある。気高き魂に打たれた肉の楔が、かの少年を縛り上げていた。


「どうした、承太郎…お前を呼んだ記憶は無いが」

「…っDIO、様……も、限界、だ…どうか、慈悲、を……」


のぼせた様に赤い首筋を襟が撫でた。
ベッドの上で静かに読書を嗜むDIOを拝もうと姿勢を変えるだけで欲がはちきれそうになる。一日中煮立った色情に苛まれた体はもはや限界だった。ズボンを滑稽に膨らませ、どこか一回り大きくなった臀部を見せつけるように足を開く。


「も、無理、だぜ…これ、じゃっ…ぅ、何も、できねぇ…せめて、おもちゃ、だけで、も、ッン、っひ!」

「駄目だ。『今日』はまだ終わってないぞ?…そこにいる事を許してやるが、騒ぐなよ。わたしの読書を邪魔したら…もう一日だ」

「……ぁ、ぁあ……わ、かった…」


『今日』はまだ終わっていない。
昨日の今頃に課された衣装は承太郎の肉体を責め立て、嬲り続けた。それに加えて毎日摂取しているクスリは蓄積するタイプなのか日に日に過敏になっていく。そんな状態で『お預け』をされたらたまったものではない。足元ですらない寝台の下、冷たい床の上で必死に口を押さえて声を殺した。


「…っふー、……ッ!……ぅ、ンぁっ…ふーっふーっ…ヒぃっ、ぅ、ぐ、む……ンっ……」


健気にも呼吸すら抑え、学ランが汚れるのも構わずうずくまり、耐える承太郎。時折押さえきれない嬌声と聞くだけで煽られる様な艶っぽい吐息が部屋に満ちる。それを覆い隠すかのようにパラパラと支配者の指が紙に触れる音が響いていた。






一体どれほどたっただろうか。
承太郎にとって永遠にすら等しい時間が過ぎた頃、股間どころか鼠蹊部や尻にまで不快感が広がった頃、ようやく、ページをめくる音が止まった。パタンと本を閉じ、寝台横のテーブルに置く音もする。期待と歓喜に震え、お声がかかるのを今か今かと待つ承太郎。起きあげる余力もなく倒れ伏した彼の耳に残酷な声が聞こえた。


「ーーさて、寝るか」


嘘だろう
パニックにも似た衝動が承太郎を揺さぶる。ここで捨て置かれたら、こんな、ぐちゃぐちゃのまま、放って置かれたら。耐えて耐えて、ずっとご褒美を、解放の時を待っていたのに。くたびれ果てた体に鞭打ち声を張り上げる


「ッま、待って、おれを、使って、くれ…ッ!」

「ン?貴様、まだいたのか。もういい、気分じゃあないからな。とっとと寝床に戻るがいい」


承太郎はこんなにも我慢していたのに、すっかり忘れていたらしいDIOはあっさりと片付ける。恐るべき肉体美をたたえたシルエットがシルクに覆われていく。もはや耐えられない。飢えに任せてベッドの上に飛び込んだ。


「…なんの真似だ」

「ご、っご奉仕、する、から、……どうか、慈悲、を…もう、だめ、だ…たえらんねぇッ……」


聞く方が切なくなるような声でねだる。
その手は未だきざしてすらいないDIOの陰茎に添えられた。上気した顔で股間に埋め、咥えようとする頭が大きな手で引き剥がされる。


「気分じゃあないと言っただろう。失せろ」

「ーーっぅ、ゃ、嫌だ…ちゃんとしてただろっ、はやく、はや、く、ッグ、ぁア?!」


性懲りも無く駄々をこねる承太郎の股座にワールドの手が触れた。よほど強く握られたのか土下座をするように体が折れ曲がり、DIOの前に額ずく。


「『ちゃんとしていた』?嘘は良くないなァ…承太郎。わたしが本を読んでいる間は静かに、と言ったんだ。発情した声を撒き散らせ、と言った覚えはないぞ?」

「ッツ!ぁ、ゃ、ごめんなさ、ごめんなさいっ!っひ、た、タマ、潰すの、はッ……ゆるして、くださ、ぃっ」


ギリギリと徐々に強くなる刺激に怯えた声が出る。

蘇るのは昔、生意気にもDIOに逆らい、うち果たそうとしていた時の事。DIOの一挙一動に噛み付いていた承太郎をパイプで足を閉じられぬよう固定し、何度も睾丸だけを責めたてられた日。あの時は耐えていた絶叫が漏れ、生理的な涙が恐怖に濁り、罵倒と強がりが懇願に変わるまでその手で、金槌で、足で躾られた。泣き喚いても終わらず、しまいにはDIOの姿を見ただけで押さえられない恐怖に震えた。

あれから肉の芽をいただいて素直になれたのに、あの罰は酷すぎる。泣きの混じった声で何度も謝罪し、ごめんなさいと言いながら震える承太郎の姿を哀れんだのか優しい言葉が降ってきた。


「そう怯えるんじゃあない…嘘ツキの罰はまた今度だ……どうも泣きじゃくるお前を見ていたら『そういう』気分になってな。脱げ、使ってやる」

「あ、あぁ!」


ガバリと勢い良く顔を上げると学ランを床に放り捨てた。どれほど望んでいたのか、じっとりと汗でシミのついたランニングを脱ぎ捨てる。あまりの変わりように、DIOは苦笑しながら変わりきった承太郎見つめた。あの高潔な少年がここまで堕ちるとは誰が予想しただろう。DIOの一言で一喜一憂し、愛らしく鳴き、無様に這いつくばる肉奴隷。愛着すら湧いてきた『穴』の腹を撫でる。


「…ふ、ン……今、下も脱ぐ」

「あぁ、どうなってるのか説明付きで頼むぞ」


整った顔を赤く染め、欲情に目をとろかしながらもカチャリとベルトを取り払った。シュルリときぬ擦れの音がする。DIOの足を跨ぐように膝立ちになり、ズボンを下ろした。

そこから覗くのは白
膨らんではいるものの濡れていない。一見想像するよりも大人しい下肢にDIOは笑みを深くした。


「これは?」

「…ぉ、おれの、ばかちんぽが、だらしねーってんで、テレンスの野郎が、つけろって……」

「フン、あれを褒めてやらねばな。それで?承太郎。この歳でオムツを履いた感想は?」


改めて口にすると一層恥ずかしくなったのか耳まで真っ赤だ。しかし突き出した股間がその意を言わずとも示している。


「ッ、す、すげぇ恥ずかしい、な…まるで、ガキみてぇだし……たくさんイっちまうと、その、しょんべんしたかわかるとこの色が…変わって……」

「淫乱っぷりが目につく、と」

「…ぅ、ぁ、あぁ……」


もっこりと先走りと精液で膨れたオムツを履き、うつむく姿はあまりに無様だ。これでは誰がどう見ても変態の汚名は免れまい。どれほど出したのかすっかり吸水ポリマーもぶよぶよになり、なんとも言えない不快感に苛まれた股間を晒す。

恥じらいもじもじとする承太郎にDIOの鋭い目が続きを促す。その獣のような眼差しに生唾を呑むと最後の砦たるオムツにも手をかけた。


「…ほぉ」

「、んっ、……ふ、ぁ…」


むっと濃くなる淫臭。
ツーッといやらしい糸がオムツと勃起を繋ぐ。一日中ぐっしょりと濡らし、蒸発することなく蓄え続けた淫らな液体が外気に触れ、承太郎の股座を冷やした。しかし煮え立った欲は消えず、バリリと剥がしたオムツも学ランの上に投げ捨てDIOの首に絡みついた。


「…おれの、やらしー汁で、ぐちょぐちょの、雌穴…いっぱい使ってくれ…な?」


あだっぽく首を傾げ、必死に誘惑する承太郎の後孔にくちゅりとDIOの指が入った。


「…っん…」

「どうやら、先客がいるようだが…?」

「ぁ、うむ、今、産む、から…」


指先にこつりと当たった振動。
まるで愛しい恋人にするように首筋に縋り、擦り寄りながら腹に力を込める。その正体はコードレスのローターだった。昨日入れられてから出す事を禁じられ、時に弱く承太郎を焦らし、時にイっても止まらず絶頂地獄に突き落とした悪魔。それがようやく出せる。承太郎は安心すらしながら息を整えた。


「…ん、っふ、〜〜っヒ、ぅ、で、るッ、ッツ?!な、でっ、っや、ああっ!」


前立腺をこね上げ、過敏な内壁を擦り、徐々に降りてきていたローターをぐちゅり、と押し戻され背筋が反った。びりびりと快感が爆ぜる。部屋に入ってから最大になっていたメモリ。その強烈な振動が縁に触れた瞬間また奥に逆戻りさせられ思わず泣き言が漏れる。


「なんで、だと? 一体いつ出していいと言ったんだ…こいつを入れたまま、わたしも咥えてみろよ……」

「っひ、む…むりだッ!け、ケツ穴、こわれちまうッツ!…な、なぁ、他ならなんでもいいから…」


告げられたのは残酷極まる言葉
散在開発され、前立腺どころか腸壁を軽く撫ぜただけでも射精し、DIOの巨大な陰経を押し入れられただけでメスイキするいやらしい体。以前その切っ先がS字結腸に触れただけでも降りてこられなくなり、イキっぱなしで一晩中泣きわめく事になったのに、今度はぶるぶると震えるローターでソコを押しひらくと言っているのだ。そんな、そんなことになったらーーー


「ッハ、この淫乱め…顔が笑っているぞ?」

「っゃ、ちがッツーーーぁ、ああ"あ"っ!!」


DIOは命乞いをする承太郎に嘲笑すると押し倒し、一気にその怒張を突き立てた。対応する暇もなく、ずりゅりと内壁をえぐる鬼頭に承太郎の意識が一瞬飛ぶ。唯一の幸運は何故かローターの刺激が止まった事か。しかし安堵の息を吐く暇もなくその再奥をグリグリと刺激された。


「ーーーっ、ぉ、ぁ、っ………ぁ、ぁあ…?っひ、やら、やらぁ…でぃお…ゆっく、ぃ…」

「…ンっ……凄まじい、な……わかるか?今、わたしに貴様の結腸が吸い付いてきているのが…」


言わずとも実感している。
そっと触れるだけでもキツい結腸の入り口が何度もちゅぱちゅぱとキスをしては脈動で離れ、また誘うように食んでいる。日中にローターでほぐされ、何度もイッた後孔は本人の意思に反してふわふわと貫く屹立を抱きしめ、離そうとしない。

DIOの先端が結腸の入口にあるという事、は
奥の、もの、はーーー




一瞬で青ざめた承太郎は正常位のまま縋るものを探しDIOの背中に両手を回した。これからくる恐ろしい快感を拒むでもなく、備えた哀れな雌に微笑み、いつの間にか手にしたリモコンを見せつける。


「ずいぶんと、緩くなったな…やはり、締めるにも刺激がいる…な…?」

「いっ、いやら…でぃお…ゆぅし、てっ、くれ…ッ…でぃ、お、さまっ、」

「駄目だね」

「〜〜〜〜〜〜っっっ!! ぁ、ぁああ"あ"っ!っひ、だ、めぇ、らっ、ァっ!ン、っひゅ、ッツ、やあ"っ、いっで、い"っでるから、ぁッツ"!!」


受け入れる体勢のまました口先の抵抗も虚しく、腹の奥で振動が始まる。目の前が真っ白になった。頭の中がチカチカと瞬き、焼きつくような快感に絶叫する。一瞬で絶頂まで駆け上がった体にさらなる刺激が重なる。DIOが、動いた。


「ッ、先っちょが震えて、ン…悪くない」

「ひ、やめ、まら、いっぢゃッツーーーー!!ふ、ゃ、ぁあああっ、うごくなっ、んひぃ"っ!おぐ、ぶるぶる、しでっ! っか、っひゅっ!!」


肉と肉がぶつかる音が水音とともに響く。
きゅむきゅむと肉壁に包まれながらローターの振動が伝わるのが気持ちいいのか、突き上げは激しくなるばかりだ。もはや何を言っているのかもわからない。ぐちゃぐちゃの頭で休ませてと懇願する。くちり、とエラの張った先端が結腸に潜り込み暴れるローターをさらに奥に突き入れた瞬間意識が遠くなる。


「おい、まだ飛ぶんじゃあない」

「ッツ!!や、ぁああぁ"あ"ぁあ"あ" っ、も、とめれ、いっぱ、おかしていっ、からぁッツ!つかって、ぃいッ、か、らっ!ろーたぁ、とめ、んんん〜〜〜〜ッ!!!」

「ずいぶんとおしゃべりだな…普段の寡黙さはどうした?」


無理矢理叩き起こされ、さらなる絶頂に連れて行かれる。イってるのにまたイく。もう無理だと体が叫んでいるのに終わってくれない。昼間にローターだ突き落とした絶頂地獄など生ぬるい。ヒクヒクと勝手に太ももが痙攣する。涙で歪んだ視界が消えた。たすけて、とめてと乞う承太郎の声が耳触りだったのか、枕で顔が覆われたのだ。


「んんん〜〜〜〜っむ、ぅううぅううっ!!ーーーーーーッツ!!」

「っはは、穴に言葉などいらんだろう。ッ、そうだ、もっと締めろ…、っく…」


DIOの口角が釣り上がった。
獣のように瞳孔が開き、手の下でもがき苦しむ獲物を犯す。息が出来ないのかその背中に承太郎の爪がめり込んだ。押せば押すほど、息ができずに苦しみ、ぎゅううと穴が締まる。枕の下でまた深くイったのかひときわ強くなった締め上げにDIOは男らしい吐息とともに遂情した。


「ッふぅ……おい、生きてるか」

「ぉ、ぁ、ぁあ……ひって、ろーたぁ…ひっれ…くれ……も、ぉだめ、だめ、らかぁ……ッツひ!!」


手をどかすと息も絶え絶え、虚ろな目で痙攣する承太郎がいた。もはやイっていない時がないのかだらりと力無く折れた、本人いわく『だめちんぽ』からは何も出るものがないのに震えている。自分の腹を自分の精液でドロドロに汚し、勝手にドライアクメに泣いている。


「…っひぃ!?な、んれ、デカ、く…ッツ!!」

「煽ったのはお前だ…何、安心しろよ。しっかり『使って』やるとも…お前がねだったように、な」


これで勃たねば男でないだろう。
中々に具合のいい、従順なオナホに笑いかける。
母のためと身を差し出した時にはあまりの愚かさに失笑したが、心身ともに作り変え使ってやると中々に愛らしい反応をする。なにせあのジョースターの末裔だ。手篭めにする快感もひとしおだった。

当分、ベッドから下ろしてやる気は無い
元はといえば承太郎がねだってきた事でもあるのだから。この淫乱も一晩中可愛がってやれば満足するだろう。情が湧いたか、なんだかんだでわたしは承太郎に甘い。それを再度自覚する。なるほど、これが恋というやつなのかもしれん。こそばゆい感情に笑みがこぼれた。




ーーーーーー何故か、承太郎は顔を青くしたが


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