甘い匂いがする。
承太郎に抗う術はなく、ただその身を晒すことしか赦されていない。おさんぽや食事を済ませ、今をして生々しく疼く屈辱の中承太郎はまどろんでいた。しかし上機嫌そうに笑った名前の手で浴室に連れていかれ、今日の悪夢が始まったことを理解した。浴室にはDIOが立ち、その手には金のリボンがかかった赤い箱。あまりに不釣り合いで奇妙な光景だった。


「やぁ、ご機嫌はいかがかな?……あぁ、畜生には機嫌もクソもないか」


せせら嗤う声
自身を辱める装備のみを纏い、ひとまわりも年下の小娘にリードを引かれ四つん這いで歩く姿はさぞ噴飯ものだろう。クツクツと喉を鳴らし失墜を嘲笑うDIOは喜悦に満ちている。それは冷たいタイルに手のひらをつけた睨み上げる承太郎からでも見て取れた。名前と2人だけならともかく承太郎には言葉を使う自由はない。ぎゅうと噛み締めた唇から血が口内に滲んだ。憤怒をたぎらせる承太郎を意に介さずDIOは続ける。


「ところで今日が何日か知っているか?名前…」

「はぁい! バレンタイン!! よね!」


ニコニコと笑いながら手を上げる
父親に構ってもらえて嬉しいのだろう。いつに無く頬を蒸気させ目を輝かせている。伸びてきた大きな手に撫でられ目を細めた。我が子のぐしゃぐしゃに髪をかき混ぜたDIOは穏やかに微笑む。


「そうだとも…お前にプレゼントだ」

「わぁ! あけてもいい?」

「いいとも」


鷹揚に頷きリボンのかかった箱を渡す
陳腐な家族劇を見せたかったのかと眉間にシワがよる。離れ離れになった家族を思い出し少し憂鬱になった。地下の仲間は無事だろうか。アマは、おふくろは、ずぐりと呻いた心が痛い。思わず目をそらすと横に名前がしゃがんだ。


「どうしたの承太郎、これ食べる?」

「ホームシックだろう。ソレの故郷にならいチョコレートを持って来たが…犬にはやれんな」


怪訝そうな名前
まだ小さい名前は座り込むと承太郎と目が合う。手の中の箱にはチョコレートボンボンが詰まっていた。その一粒を摘むと承太郎の唇にココアパウダーを塗りつける。首をふいと背けるとDIOが制止をした。犬はカカオ類を食べると中毒を起こす。ここまで嫌がらせも徹底されるとままごとの域だ。いや、初めからそうだったか。自分のガキのおもちゃとして人間を与える。なんともDIOのやりそうなことではないか


「だめなの?」

「あぁ、犬に食わせると死ぬぞ。名前は承太郎が死んでもいいのか?」

「それはイヤ! …でもざんねんね、いっしょに食べれないなんて…」


目に見えて落ち込む
意気消沈。動物の耳があればへにゃりと垂れ落ちているだろう有様だ。つまんだチョコレートを口内に放り込むとペロリと指先まで舐め承太郎の顔を抱き寄せる。小さく白い指が頬をかすめその体温を伝えた。甘い香り。花のような柔らかな匂いとチョコレートが相まって名前の胸にうずめた顔が熱くなる。こんな子供に。まったくおれはどうにかしちまったのか、恐怖にも似た混乱が脳内で暴れる。ギリギリと締め付けられる男根。最後に触れられたのはいつだったか。きっと溜まっているせいだ。そうに違いない。


「フム…どうしても食わせたいなら方法はあるぞ?」

「本当に?!」


パァッと声が明るくなる
幼いがゆえ平坦な胸に抑えられた頭では見ることこそできないもののなんとも嬉しそうな声色だ。四つん這いで下げた頭をなんども撫でられる。


「胃から吸収させるのがよくないのだ。ソレには貪欲で浅ましい口が下にもあるだろう?」

「したって…おしり?」

「あぁ、噛まなくていいようにしてやったほうがいいかもしれんな」


頭上で交わされる会話にゾッとした
なんて事を考えつきやがる。よりにもよってこの二人は尻に、ケツの穴にチョコレートを入れる気だ。おもわず口を挟む


「っやめろ! てめぇ…」

「ン? 聞こえんなァ…犬の鳴き声などこのDIOにはわからん。名前、テレンスに承太郎用のチョコレートを貰って来なさい」

「はぁい」


追い出すように名前を使いに出す
冷えた浴室には二人だけが残った。名前の姿が見えなくなると、DIOは良き父の皮を脱ぎ捨て哄笑する。侮蔑と傲慢をあらわに目の前の仇敵を見下した。這ったまま睨みつける承太郎を片足で踏みつけぐりりと踵でねじ伏せる。


「いいザマだな承太郎、名前の犬になった気分はどうだ?」

「……ッペ」


犬は言葉など話さない
この問いかけ自体が罠だ。文句の一つでも口にしたが最後嬉々として嬲りはじめるだろう。しかし黙って踏み躙られる気もない。DIOの足元を汚すように吐きかけたツバは見事その機嫌を損ねた。愉悦が滲んでいた瞳は冷たく細まり喜悦に歪んだ唇はそのままに残忍さを写す。


「ほォ…まったく、名前は貴様にずいぶん甘いらしい…躾のなっていない上に甘味さえくれてやるほど気に入っているようだ。……フン、まぁいい。今日という日ばかりは私も貴様に優しくしてやろう」

「………?」


嫌な予感がする
普段であれば蹴りの一つでも飛んでくる所だというのになんだこれは。あまりの不穏さに鳥肌が立つ。DIOはおもむろに足を退け壁に寄りかかった。眉を寄せた承太郎の背後から声が降ってくる。


「もってきた!…けどジョータローこんなのがいいの?」

「父の言う事が信じられんか?」

「…ううん。ダディが言うならきっとそうよね!」


差し出されたのは銀のボウル
なみなみと溶けたチョコレートで満たされなんとも熱そうだ。まさか、まさかこれを?こんなものを尻に注がれたら死んでしまう。そうでなくとも火傷はまぬがれまい。適切な処置も、病院に行くことも期待できない現状、内臓の熱傷は致命的だ。スゥっと血の気が引く。それは駄目だ。それは、そんなことをされたら、


「だいじょうぶよジョータロー。テレンスがつくってくれたのだもの、きっとおいしいわ!」


そういう問題じゃない
にこやかな名前、青ざめた承太郎。至極愉快そうに笑ったDIOは硬直した承太郎をスタンドで軽々と押さえ込み名前の頭を撫でた。和やかな親子、その足元で両手を床に貼り付けにされ尻を突き出した状態で裸体よりもいやらしい姿を晒す承太郎。どこまでも歪でアンバランスな光景だった。


「それじゃあいくね」


背後から弾んだ声が聞こえる
限界まで詰められたプラグをくいくいと押される。太く短いそれは押しこめられる度肉壁をくにゅりと潰し腸液の分泌を促した。すっかり乾いた後孔から引きずり出すのに苦労しているのかぐりぐりと円を描くようにかき混ぜたり肛門のシワをなぞったりと忙しい。妙に性感を煽る手つきで触れられ、ギチギチと貞操具に押し潰される性器が痛い。しかし痛み以上に情けなさに涙が出そうだった。こんな子供に尻穴をいじくられて勃起してしまうだなんて最悪じゃあないか。ギリリと噛んだ唇から鉄の味がする。声は出さない。こいつの、DIOの前でだけは嫌だ。嬌声も絶叫も、一言も聞かせたくない。それだけが今の承太郎に許された矜持だった。


「……っ、っぅ、……ッツ」


ちゅぽり、アナルプラグが抜ける
散々拡張された肛門はすぐには閉まらずポッカリと空いた肉穴からぬらぬらと照り返る腸壁が覗く。すぅっと通った外気にゾクッと背筋が震えた。赤く肉々しい内臓が恥じらい慌てて身を隠すように肉輪を締める。そこを名前の指が優しく、蕩かすように撫でた。


「…、っぅ………ん…ッ、」

「だめでしょう? これじゃあ入らないわ」


甘い甘い、名前の声
まるでできの悪い子供を叱るような、そのくせ柔らかで骨の髄までとろかそうとでも言うような声。カリカリとふっくら腫れた縁を引っ掻かれ、優しく囁かれ、何度もかき回されたそこはゆるゆると警戒を解き始めてしまう。その度きゅうっと括約筋に力を込めるものの陥落は時間の問題だった。

ちゅぷっ、くちっ、こりゅっっ


「……ッッツ!、 っひ、んん、………」

「ゆび一本! ほら、いつもみたいにしてちょうだい。それとも前みたいにくにくにしてあげたほうがいいの?」


小さな歓声が上がる。
緩んだ一瞬に潜り込んだ名前の指はくちくちと淫らな水音を立てながら震え慄く肉壁を宥めるようにふれる。思い出したように固くなったしこりを爪先が引っ掻き声が漏れそうになる。慌てて飲み込んだが容赦のない名前の指はさらに大きく動き回り、縁にもう一本添えられた。思わず息が止まる。もう一本、もう一本入れられたらきっとチョコレートが入るほど解されてしまう。承太郎はぎゅううっと雄に媚を売るように名前の指を締め付けた。


「もーしょうがないなぁ…」

「……、 っっひ、ギッ!!!!」


ぐにぐにと指を左右に振られた
緩くなっていた肛門は閉じるまでにわずかなタイムラグが生じる。その一瞬にずぷり、と指が、二本も突き立てられた。その太さはアナルプラグよりもあり、爪先が前立腺をカリッと掠める絶妙な長さだった。今か今かとトドメを待っていた肉ヒダが歓喜した。ずくんと睾丸が重くなる。すでにおもらしのようにたれ流していた先走りは水溜りを作っていた。そこの一押し。ググッと溜め込まれゼリー状になった精液がどくどくと解放を訴えている。しかし出すことはできない。ずっぷしと嵌ったままの尿道ブジーが邪魔をする。先走りと段違いの濃さの精液は隙間から漏れ出ることができず逆流し己の精巣に種付けをすることになる。苦しい。悶々とした肉欲が体内で渦を巻いて涙が出そうだ。


「っぅ、っはー…ッハー…ッハー……」

「ハッピーバレンタインね!ジョータロー!!」

「ーーーーーッッギ、ぁああ"あっ!!!」


ひらかれた、ひらかれてしまった。
ぱっくりと口を開けた後孔は美味しそうにホットチョコレートを飲み込んでいく。ホワイトチョコレートはトロトロと熱く、粘膜を焦がしながら承太郎を蹂躙していく。やける、やける。肉が、中から焼かれてしまう。声を抑えるなど無理だった。喉がひっくり返り全身が暴れる。自身のものとは思えない本能からの断末魔。抑えられた両手首が砕けそうだ。痛い。いたい。熱くて痛くて、それで、それで、とくりと震えた下肢に青ざめた。


「っっっっっっっ!!!!! ひぎゅっ、ぁ、ぁあああっあ"あ"あ"あ"あ"っ!っひ、っふ、ぅ、ぁあ…やけ、やけちまっ、ぁあああ"あ"っ!!」

「……ジョータロー、だいじょうぶ…?」


大丈夫なわけがあるか
ボロボロと生理的な涙が溢れでる。こいつには、DIOの野郎になんぞ見せたくなかったのに。熱い熱いあつい!腹が爛れる、肉が焼ける!!もんどり打って悶え苦しむ様はさぞ無様だろう。だというのにビリビリとした電撃が腰から背筋を這い上がり脳髄を震わせる。ひっくひっくと痙攣する身体がままならない。ぎゅうと体を丸めて小さくなる。少しでも腹を、股間を隠そうと縮こまる。そんな承太郎をDIOはしばらく観察し、非道にもその巨躯を軽々とひっくり返した。


「っっひぐッ! …ぁ、や、みるなッツ!!」

「…ほぉ、やはり貴様、達していたな?」


断定じみた問い
いや、問いではなく承太郎をいたぶるための罵倒だろう。承太郎がなんとしてでも隠したかったそれ。ブジーを押し出してまで漏らした白濁。肛門から甘いホワイトチョコをたれ流し鈴口を白い精液で汚した承太郎はいっそ滑稽ですらあった。半分ほど出てしまった金属ブジーが間抜けだ。しかし何よりも承太郎を虐げていたのは尻に、熱々のホットチョコレートを注がれ、熱さに悶絶しながらイっていた事実だった。オムツを変えるような姿勢にされ抑えられた承太郎には隠す術などない。羞恥に首まで赤く染め泣いている犬ころに名前の追い打ちがかかる。


「ジョータロー、きもちよかったのね?!…でも、美味しいものを食べると気持ちよくなっちゃうの?ジョータローって、……ヘンタイさん?」

「っちがう!こんな、こんなのは!!お、おれじゃあねぇ…こんなの、こんな、んむっ、」


イヤイヤと駄々っ子のように首を振る
尻を焼かれて果てるだなんて変態極まる、どマゾのようではないか。なまじ常識的であるせいで一層羞恥に苦しむ。しかしいくら承太郎が否定しても射精の勢いで飛び出たブジーは戻らず生臭いにおいは消えてくれない。まるで犯されたかのように後孔から精液のようにホワイトチョコレートを太ももに伝わせ泣きじゃくる。違う違うと呆然としながら呟く口に名前の指が突っ込まれた。ケツの中をかき回していたからか少し苦く、それ以上にホワイトチョコレートの味がした。おしゃぶりのように舐めさせられる二本の指に言葉が紡げない。


「だいじょうぶよ? ジョータローがチョコレートを食べただけで気持ちよくなっちゃうヘンタイさんでも大好きだもの。ねぇジョータロー、美味しい?」

「…んっく、ほんらわへあうかッ!!」


穏やかに、優しく
承太郎の舌を二本の指で挟みながら名前は問うた。名前にはなんと言っているか分かりはしなかったものの承太郎が気持ち良いなら、チョコレートで達するならかわいいし素敵だと思った。そうならばもっときもちよく、もっと可愛くしてあげたくなるのが飼い主のサガだ。名前は愛犬家なのである。イキイキとした我が子の姿に目を細めDIOは静観する。必死に熱いチョコレートを吐き出そうとパクつく後孔を眺め、言った。


「名前、お前にあげたチョコレートも食わせてやったらどうだ? ずいぶんと物欲しげに口を動かしているからなァ…洋酒入りでも喜んで食べるだろう」

「お酒へいきなの?」

「確かそいつは酒も嗜んでいた。今日くらいはこのDIOも貴様に甘くなってやろうじゃあないか…無駄吠えも許そう、お代わりをあげなさい名前」


悪魔が囁いた
無駄吠え、つまり懇願や絶叫でも聞きたいのだろう。ギッチリとスタンドで拘束され逃げられない承太郎の後ろに名前がまわる。チョコレートボンボンにはどれぐらいのアルコールが含まれているのだろうか。量によっては急性アルコール中毒、もしかしたら人工肛門までいくかもしれない。こんなこと正気の沙汰ではない。しかし承太郎には抵抗も逃走もできなかった。


「…っぅ、ぁあっ!…、っん、く、ぅ…」


つぷり、指先がうまる
熱く原型がなくなるまでとかされた内臓に冷たい指が触れた。熱くて熱くて、冷たい名前の指が気持ちよくてギュウッと締め付けてしまう。まるで売女だ。それでも指一本を追いかけて揺れる腰が止まらない。もっともっと奥に欲しい。焼かれた肉を冷やして、優しく撫でて欲しい。今度は快楽神経に焼きごてを当てられたような刺激ではなく、硬直した肢体をやわやわとほぐすようなやわらかで優しい快感。漏れはじめる声が疎ましい。男の嬌声など聞いても不快なだけだ。しかも自分の声ならなおのこと。しかしこんな刺激では我慢する方が難しい。


「…んぅ、……ッヒ、ぃ!」

「すごい熱くてとろとろ…ジョータローきもちい?」


にゅるっ、ぬるっと二本めが入ってくる
ホワイトチョコレートのぬるつきを利用して入り込んだ指の束に圧迫感が生まれる。いや、少しでも多く触れられたくて絞り上げているのは承太郎のほうだ。遊ぶようにぬぷぬぷと出し入れされじくじくと疼きだした最奥が憎い。これ以上入り口ばかり弄られたらもっととねだってしまいそうだ。欲望を振り払いグッと唇を引き締めた。


「ん、だいじょうぶかな。あげるね」


つるりとしたものが触れる
丸いもの。ぬるぬる滑る肉縁は早くほおばろうとはくつききゅんきゅんと泣いている。ほんの少し押された瞬間甘いチョコレートとかぐわしい洋酒の香りが体内で弾けた。瞬く間に溶けたミルクチョコレートはアルコールを撒き散らし吸収の早い腸壁は一瞬で焼かれた。あつい。熱くてあつくて仕方がない。ふ、と息を吐いた瞬間意識が混濁した。ぐらり、急激にアルコールの血中濃度が上がったせいで頭がクラクラする。ぼうっとした脳みそでは思考がまとまらない。口をとじる気力も溶けてしまう。だというのに名前の指がまた動き出した。


「…ぅ、ぁあ…っ、っふ、ァ、ぁア…ッ、ん…」

「きもちいい?」


頭がバラバラになる
揺れる脳揺れる視界。ダラダラとたれるヨダレが床に滴った。いつの間に姿勢を変えられたのか床が見える。うつ伏せだ。上半身をタイルに擦り付け尻だけ上げた滑稽な様子。普段であれば憤死しかねないほどの恥辱。しかしそれ以上に承太郎にあったのは快感だ。気持ちいい。冷えて来たホワイトチョコレートは体温と混ざり合ってローションのように肉壁を這う。充血し過敏になった肉は名前の指紋まで拾って悶えはじめた。あったかくて気持ちよくてクラクラして、最高だ。名前の指が一振りされるだけでイってしまいそうだ。くっくっとひたすら押し、性行のように動く名前の指にヒダが絡みつききゅんきゅんと震えている。ビクッと揺れた男根は白濁混じりの先走りをたれ流しもはやイっているのかすらわからない。


「…ァ、ぁああ…っひ、ぅ、ぁあっ…ん、ぅ…」

「どうした承太郎。腰が揺れているぞ? 空気と交尾でもしているのか?ン?」

「…ぅう…あ、ぁあっ…!」


我慢できない嬌声
いつもであれば必死に押し殺すものがたれ流しになってしまう。男らしい低音が裏返った情け無い声も、溢れ出て承太郎の人格さえ押しつぶしそうなほどの肉欲も。これっぽっちも腹の底に留めておくことができない。酩酊混濁した肉体はどこまでも素直だ。名前の抽出に合わせてゆらゆらと尻を振ってしまう。DIOが何かを言っている。湧いた頭では理解できない。つぷっと奥に進んだときは更に飲み込もうと押し付け、引き抜かれるときは些細な刺激でもしっかり味わおうと肛門をすぼめながら早く勢いが増すよう引き剥がす。くぷくぷとホワイトチョコレートが空気を含んで泡立っていた。


「…ゥ"、ぁ、ぁあっ!!……く、ぅ、」

「イきたい?」


いきたいか?当たり前だ
もっと欲しい。決定打が、あの脳髄が焼き切れて、神経がショートしてしまうほどの快感が欲しい。いつものようにあそこを、あの気持ちのいい場所をいたぶって、ブジーを抜いて、ダメになってしまうほどヨくして欲しい。


「じゃあジョータロー、わたしのほっぺにちゅーしてくれる?」

「ん、ぁ、…む、ん、」


そんなことか
それだけであの絶頂が手に入るなら安いものだ。力の入らない腕を震わせ上半身を持ち上げる。こんなに肉体とは重かったか。なんとか体を起こし半身をひねり振り向いた。必死で首を伸ばし名前に近づく。プルプルと生まれたての子鹿のような承太郎はやっとこさ柔らかな頬に唇を寄せた。


「…いいこ。ジョータロー、お腹見せて。抜いてあげる」


ちゅぽんと抜けた指
情欲に支配された承太郎はころんと転がり仰向けになった。柔らかな腹を向け、弱点を向き出しにする姿勢。それは道中ストレングスが承太郎に向けたのと同じもの、動物の『降伏』の姿勢であった。一点、猛々しくそそり立つ勃起はもはや滑稽でしかない。金属ブジーを半分ほど出したまま肉棒を震わせる。この肉塊は名前の赦しを、施しを今かと待ちわびていた。


「ふふふ、ジョータローは本当にいい子。好きなだけ気持ちよくなっていいからね」


つぅと指先が腹を撫でた
綺麗に割れた腹筋のミゾを小さな指が引っ掻く。それだけで承太郎はひくんと体をわななかせた。吐息が熱い。密室に充満したチョコレートの香りに胸焼けがしそうだ。視界が潤む。勝手に出て来た涙が頬に伝った。名前の手が下がる。ゆっくり、ゆっくり。哀れにも涙を流す先端、そのから出るブジーをつまんだ。


「……ぁ、ぁあ…」


ぬぷ、ぬぷぷっ
ゆっくりと熟れた尿道壁が擦られる。快楽神経がビリビリと電流を全身に流し声が漏れてしまう。頭の中がぐちゃぐちゃだ。抜かれるのが気持ちよくて腰が浮いてしまう。とめられない。やめて欲しくない。グツグツに煮詰まった精子がせり上がる。でる。でる。出せる。ずっと欲しかった快感。雄の本懐。白痴のような声が疎ましい。イケる。やっと、やっと


「…やっぱだめ」

「ぇ、ぁ、あああ"っ! っな、なんでッ!」


ずぷっっっっっと串刺しにされた
ブジーをおうとつが尿道粘膜をいためつけ承太郎を追い込む。雷に打たれたように体を跳ね上げ叫ぶ。焼き切れそうな快感と燃え尽きそうな焦燥。悲痛な嗚咽が漏れる。ぐずぐずになった精神は涙を止めてなどくれない。スンスンと鼻を鳴らしながら名前に縋る。DIOでなく名前に。仇敵でない飼い主に。まるきり愛玩動物そのものの姿で名前にすり寄った。


「だってジョータローばっかずるいもの。チョコレートもいっぱい食べてもっとだなんてゼータクよ。今日はもうおしまい」

「っむりだ! こんなっ、ぅ、ぁあ…」


パッと手を離した名前
わだかまった熱はぐるぐると体内で渦巻き、陽根も鈴口から涙を流してすすり泣いている。無理だと叫んだらお仕置きとでも言うように血管脈打つ竿にデコピンされた。たったそれだけの衝撃にも撃たれたように反応してしまう。こんな体でほっぽり出して欲しくない。もっとヨくして欲しい。だというのに名前はもう片付け始めている。淫欲に焼け死んでしまいそうなのに。名前が、名前、名前は、


「こら、それじゃあかわいそうじゃあないか。きちんと面倒をみるんだろう? 最後までしてあげなさい」

「ダディ…だって、」

「犬なんてものは人にへーこらするしかない畜生なのだ。一度飼うと決めたなら名前が生かしてやらねば死ぬ。それとも捨てるか?」

「それはイヤ!……おいでジョータロー」


シャワーで手を洗っていた名前にDIOが声をかけた。救い船でありその実承太郎を蔑み傷つける言葉。少しだけマシになった頭に怒りが湧く。それも名前の手招きに溶けた。水で冷えた手が気持ちいい。首筋を撫でられゾクゾクした。濡れたタイルが滑る。四つん這いで歩きながらようやく名前にたどり着いた。立ったままの名前は遠く、自然と上目遣いになる。


「ジョータロー、おしり向けて」

「……ぅ、ん…」


名前の後ろにDIOがいる
つまり名前に尻を向けると言うことはDIOに向き直ると言うことだ。肉欲には逆らえなかった。これ以上のおあずけはごめんだった。手を床につけたまま尻を上げる。ちゅぷりと熟れた蜜穴に指が入る。DIOの野郎に顔を見られたくなくて床を向いた。まるでDIOの足元に傅いているような姿勢。それでもとろけた顔を見られるよりマシだ。心が折れているつもりはない。だから大丈夫だ。


「……ン、っぐ、ゥ、ぁ…っっっ!、」

「さっきみたいに声だして?」


二本三本と増えた指が肉の壁をこじ開ける
きゅうきゅうと締め上げる内部を押しひらくように指を束ねぐっぽぐっぽと動かし始めた。帰って来た理性は必死に唇を閉ざさせるものの、名前は気に入らないのか前立腺を何度も捏ね上げ暴力的な快感が襲う。鼠蹊部が痙攣して絶頂を叫ぶ。だというのに未だ栓の埋まったままの男根は解放を求めて泣きじゃくる。


「……っぁ、なまえっ!ちんこ、のッ!!」

「え? あ、そうね」

「ッ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」


軽い言葉とともに尻の下から伸びた腕がブジーを抜く。一瞬で高みに持ち去られた承太郎は濃い白濁を撒き散らした。声も出せない。きゅううっっと睾丸が持ち上がり中身を全てだそうと痙攣する。名前の指は止まらずぐちぐちと雌穴をかき混ぜ前立腺を潰す。承太郎にできるのは声を必死で飲み込み溜め込んだ精液を吐き出すことだけだった。









******************









「おはよジョータロー」

「……ん」


目を開ければいつもの部屋
DIOの姿は無く名前がベッドに寝転んでいる。夢だったのか?夢うつつの頭でぼんやり考えた。溜まっていた、のだろうか。それにしてもあんな夢。夢は深層心理を映すというがあんなことがおれの望みだとでも?想像した一瞬、ほんのり兆した股間に脳内を振り払う。そんな訳あるか。おれはまだまともだ。子供に、名前に弄ばれて悦ぶほど終わっちゃいない。

首を振る承太郎
それを怪訝な目で見た後名前は傍から小さな箱を取り出した。ピンクのリボン。ブラウンの包装紙。かぱっと開けた瞬間流れるカカオの香り。ずくりと痛いような疼きが体に走る。


「ジョータロー、甘党だったのね!テレンスに言ってもっと持って来てもらったの。食べさせてあげるからおしり向けて?」


夢であってくれ

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