「……ん〜、…おはよジョータロー」

「あぁ」


もぞり、とシーツが動いた
窓から白い光がベッドを照らし白昼であることを示している。じっと寝顔を見つめていたのか承太郎と名前の目があった。ずいぶん寝過ごしたようにも思えるが子供などこんなものだろう。広い天蓋の下で瞼をこする名前は幼くあどけない。全裸に首輪だけの承太郎と違い白のネグリジェが肢体にまとわりついている。幼児的な色艶が眩しかった。

すっかり身も心も名前に捧げた夜
あの日から手に入れた愛はこんなにもあたたかい。むくりと体を起こした後に名前はベッドからおりるととてとてと扉に向かった。誰もいない外に置き去りにされた配膳用のワゴンを引き入れベッドの横につける。承太郎はここ数日、一切この部屋から出ず、ほとんどの時をベッドの上で過ごしている。排泄や名前と遊ぶ時以外はシーツの中だ。それは食事も同じこと


「ジョータロー、あーん」

「…ん、ぐっ。……うまい、な」


差し出された匙を食む
名前が運び入れることを配慮したのか台の上には数皿しか並んでいない。おそらく承太郎の分は下の段に置かれたドッグフードだろう。しかし名前には見えていないのか、食べさせる気がないのか上段のオムライスを掬い渡してきた。とろりと卵がほぐれ蒸気が立ち上っている。にこにこと笑う名前に微笑み返しその手に頬を擦り付けた。


「なーに、甘えたさんね、ジョータローったら。ごはん食べたら遊びましょう?テレンスにおもちゃをよういさせたの」

「わかった。…おい、おればかりじゃあなくてめぇも食いな」

「わかってるー」


構わず匙を突きつけてくる。
自分の食事を与えて、このままでは名前が食べる分がなくなってしまうだろうに。口元に運ばれるオムライスを飲み込み、名前の手ごと匙を掴むと一掬いした料理を名前に向ける。


「ほらよ」

「んー……あむ」


一瞬不機嫌そうに唸った後ぱくりと食いついた。
むぐむぐと動く唇が愛くるしい。おさんぽもせず浴室で済ませ食事はベッドの上、寝巻きのまま食べると後は遊ぶだけ。なんと自堕落な日々。囚われているとは誰も思わないような穏やかさで時間は過ぎていく。いや、もはや囚われているとは言えまい。承太郎は望んで名前の側にいるのだから。名前は金糸の髪を耳にかけると雛鳥のように口を開いた。


「もっとちょうだい?」

「やれやれ…」












********************










「これ、かたづけてくるからトイレとかはすませておいてね。もどってきたらいっぱい遊ぶんだから!」

…と、言われたはいいもののどこまでやるべきか
とっくに鎖は外され、全裸ながらも好きに動ける承太郎は一人浴室で悩んでいた。『トイレとか』と言われたが遊ぶ内容によっては腹のなかまで洗わなくてはいけないだろう。

浴室にはバスタブとシャワーがある
名前のために人間用のトイレも別室にあるがそれは犬の承太郎には使えない。いや、使わないと言った方が正しいか。監視の目もなく鎖もないままここに、散々弄ばれ恥辱を晒した風呂場に来たのだから。すっかり染み付いた愛犬の本能が名前に粗相を洗われる浴場を便所だと訴えていた。迷いなく来てしまった己を自嘲する。よくここまで変わり果てたものだ。もはや人としてのプライドなど残っていないらしい。それでも、それでよかった。犬には尊厳なぞ邪魔なだけ、名前に愛されるには不要なものだ。排水口の蓋を外し用を足して、それから一応中も洗っておこう。名前の手が汚れてしまうのは嫌だ。












****************









ことり、と箱の蓋が床に捨てられる
好奇心と期待に頬を上気させた名前はベッドの上に中身を広げた。綺麗さっぱり、シャワーのヘッドを外し直腸の中まで洗い込んだ承太郎がその足元に座っている。今にも鼻歌を歌い出しそうなぐらい上機嫌だというのにこっちを向いてくれない。いつもであれば息をつく間も無いほど愛情を注いでくれるというのに。たかが十数分でも目の前に居ながら無視されるのは耐えがたい。弱り切り、名前に溺れた心はひどく不安定だ。うろうろと視線を彷徨わせどうにも落ち着かない感情の波が溢れるのを抑える。その数分後、シーツの淵に腰かけた名前は承太郎の両頬を持ち上げ、引き寄せた。


「ジョータロー、わんちゃんには何がある?」

「…あぁ?」

「考えて。わんちゃんにあって、ジョータローにないものは何?」


犬にあって、『ジョータロー』にないもの
少し、逡巡すると口を開いた。ぽってりとした小ぶりな唇が感情に湿る。落ち着いた、落ち着ききった声。それが小さな小さな子供部屋に響いた。


「尻尾に毛皮、とか、か…?」

「えぇ、そうよ。あとはお耳ね。…ちゃあんとわんちゃんになってくれる? 道具はよういさせたのよ」


なんだ、そんなことか
ドッと安堵の息が出た。この身はすっかりくれてやったのだから名前の好きなようにすればいい。おれは名前の一番で、そのためならなんにでも成れる。彼女とした約束はそういったものだ。頭のてっぺんからつま先まで、髪の毛一本に至るまで名前のもの。安心したからか力が抜ける。緩んだ顔はきっと男らしさのカケラもないだろう。しかしそんなこと名前は気にしない。顎をカリカリと動物にするように撫で掻かれる快感に目を細める。心地の良いまどろみの中コクリと頷いた。


「ん…おれは何をしたらいい」

「これつけて。そしたらそれらしく遊ぶの。わんちゃんのおもちゃもあるんだから!」


ずい、と差し出されたのは犬耳のついたカチューシャと犬の尻尾を模したファー……のついたアナルパール。我ながら慧眼と言わざるを得ない。もし尻の中を洗って居なかったら、あの時軽くほぐしていなかったらどうなっていたことか。名前は気遣いなどしないだろう。あの黄金の瞳の前で糞まみれの尻穴に指を突っ込むことになったに違いない。危機一髪免れた未来に冷や汗が出る。無邪気に突きつけられた品々を受け取ろうと手を伸ばす。きょとん、と名前の瞳が丸くなり頬を平手打ちされた。顎を片手で掴まれたまま喉を撫でていた手が鞭のように振るわれる。軽く、痛みなどないがその衝撃に涙が出そうだった。まるで『ジョータロー』の全てを否定されたような錯覚。ピシリ、と心に亀裂の入る音がする。


「……ッ、なんで、」

「…はぁ、ジョータロー、犬は前足でそんなことするの?」


呆れたように呟かれた。
『そんなこと』、衣装を身につけようとしたことか。一拍おいて理解が追いつく。じわり、じわりと心の中に被虐と、愛されているという確信が広がった。好意を持った相手でもなければ積極的に抱こうとはしないだろう。一瞬の恐怖は深い安堵に置き換わり名前の支配じみた感情を承太郎の中、深い深層心理に焼き付けた。


「……ーーあぁ、そうだな。つけてくれ」

「ふふ、よろしい。…次はお尻ね」


戴冠の儀のように下げた頭に犬耳がはえる
いっそ神聖さすらある手つきで黒髪に据え付けられた人口繊維は今にも動き出しそうだった。満足げに主人が笑う声を聞いてホッとする。これでよかった。正しかったのだと思えた。よりいっそう名前の庇護に、愛に溺れるため後ろを向き、尻を高く上げる。ベッドの上と床では高さがある。それなりに高く突き上げねば名前がいれにくいだろう。


「…ん、………っふ、ぅ、…ぁ、」

「ーーーく、ふふふふ、すごいのよジョータロー! こうやってお尻の穴をくにくにするとね? わたしの指をぎゅうってしてちゅうちゅうしてくるの! ……かぁわい」


興奮したように呟かれる
いきなりいれられた二本の指がぷっくりと膨れてしまった肉輪を広げては閉じて、またひらいてと遊んでいる。冷たい空気が流れ込んできて違和感がひどい。ひたいを床に擦り付けられ息が漏れるままになる。ぐぱぁ、きゅううっと蠕動を強制される腸壁は酷いことをしないでくれと名前の指に媚びを売り、雄にするように擦り寄り抱きしめる。貞操帯の外されている花芯はビクリと震え滴り始める。ぽつりと残された睦言に体温が上がっていく。ドロリとローションのようなものが中に注がれゾクッと鳥肌がたった。


「……ッ、ぁ、なまえ…」

「今、ちゃんとしたわんちゃんにしてあげるね」


つぷり、と切っ先が埋まる
初めは1センチほどの直径で、徐々にピンポン球になって、また小さくなる。一度いれたら出しにくくなる形をしていた。まだ一粒目の真ん中ぐらいなのだろう。ぐぐぐっと広がって、しかしそこで止まってしまった。はやく呑み込みたいのに、焦らされている。名前が遊んでいる。思わず揺れる腰が恥ずかしい。入り口だけじゃなくその奥、勃起に伴って腫れて、トドメを待っている前立腺に触れて、いたぶって欲しい。くぅくぅとお預けされた犬のような声が漏れる。ちらりと見ると名前が笑っていた。


「…いくよ?」

「あぁ、…ーーーーーッツ! ぁ、っん、う"っ、」


ずりゅっずりゅっずりゅっ
コツコツと玉がしこりの上で跳ね目の前がチカチカする。尻をあげていなければいけないのに膝が笑って姿勢を保てない。ヒュッと喉が震え脊髄を走る快感から逃げたくなる。ガリガリと床をひっかくと叱るようにたしなめられた。


「もー、つめ痛いでしょ? おててはグー!!」

「…ぇ、ぅ、あぁっ!……く、ぅ、」


ドロリと重い精液が垂れる
一気に串刺しにされたせいで直腸での絶頂に叩き落とされた肉体が所有者に従おうと拳を握る。その間も抜けない絶頂に身を震わせ、溜め込み熟成された精液が尿道粘膜を擦り上げる快感にか細い嬌声が止まらない。ずっぷりとハメられたのか蟻の門渡りにふわふわとした感触がする。性感帯でもある会陰部をファーにくすぐられて痒いようなこそばゆいような感覚に震えが止まらない。ヒクヒクとわななく背にひどい声が降ってきた。


「ジョータロー、起きて。わんちゃんになったんでしょう?わたしにも見せて」

「ーーーっく、ゥ、ぁ… っひグッ!!」


こんな状態では身じろぎすらつらい
なのに名前は起きろと、起きて顔を見せながら座り直せと言う。ぎゅうぎゅうと玉の一粒一粒を飴玉のように舐め回す肉襞をなだめ、おそるおそる膝立ちになった。ついていた膝そのままに上体を起こしただけ。それだけでもう一度高みへと連れ去られる。軽く気を飛ばしながらびくんと震え体が硬直する。痺れを切らしたのか名前の手が承太郎の肩を後ろから引く。


「はーやーくー!」

「…あ、わかった、わかった、から…っ、ぁ、ぅ…」


ばちばちと脳裏で達しながらも健気に振り向く
頬は紅潮し眉は下がり、緑の目は蕩けていた。ゴクリと喉仏が上下する。必死に唾液を飲み込まなければ嬌声とともに垂れてしまう。興奮で粘り気を増したのかツゥ…と糸を引いていた。ふるふると震え、それでも名前に向き直る姿に名前は意地悪く笑った。


「ジョータロー、おすわり」

「…は、ぁ?」


一言目は吐息、二言目は戸惑い
それは、それはつまりどういうことだ。このまま座れ、と? そんなこと絶対無理だ。今座ったりなんてしたらゴリゴリとめり込んで、腸壁を沢山の玉が転がって、前立腺を潰されて、きっと、きっと、


「わたしのわんちゃんでしょう?…ほら、はやく」

「…ぁ、あぁ、っ……っ!」


卑猥な断末魔
愛しの処刑人に極刑を言い渡された犬畜生に逆らうという発想はない。ニンマリと笑って承太郎がダメになる様を楽しみにしている名前に、承太郎は逆らえない。逆らいたくない。名前の、期待に応えたかった。だから、


ぐぷっ、………っこつん

「ーーーーーーっひぐッ!……ぁ、あァ"っ!!」

「っあはは! わたしのジョータローは本当にかわいいわ!!」


重力に従った。
立てていた膝を曲げて、尾てい骨を打ち付けるように、名前と見つめあったまま、深く、深く絶頂した。ファーの付け根が床と軽い音を立てる。しかし玉の隙間という隙間にヒダが絡み、うぞうぞと蠕動だけで味わっていた中は大惨事だ。ずりゅりゅりゅりゅっっとさらに奥へ、先端の一粒がS字結腸に触れるほど、奥に。行かないでと追いすがる肉を刮ぎ潰しながら征服する。低い声が裏返り、玉のような汗が背中に滲んだ。ぽたぽたと先端からを滲むように白濁が漏れる。愛欲に溺死しそうになる。ひぃひぃとしゃくりをあげる喉が苦しい。目尻から涙をこぼしながら伸ばされた手に擦り寄る。


「ふふふ、…ほんといい子ね。ジョータロー…」

「…っは、ぅ、っぐ、…ふ、は……」


ベッドの上で足を伸ばす名前
その瞳は慈愛に満ち、ひとまわりも年下だとは思えない。グズグズと鼻を鳴らし頭を撫でられる承太郎の方が幼く見える。ゆっくりと暖かく撫でる手のひら。やさしい想い。名前に身も心もとろかされ形が残らないんじゃあないかと不安になる。呼吸が落ち着いた頃、目の前にボールが差し出された。


「わんちゃんが遊ぶと言ったら、ボールだものね。ほら、とっておいで」


ひょいっと部屋の端に投げられる
このままボールを追って戻れというのか。名前には人を恥辱する天性の才能がある。いや、人でない、犬だからか。犬と遊ぶとなれば『とってこい』は普通だ。何も、名前は間違っていない。ふぅふぅと息を整え指さされた先に向かう。


「…ぅ、ぁっ…!」


姿勢を変えた。
ただそれだけで小さく声が漏れる。球が並んだ腸壁をこすりあげる。いれている肉筒の形が変わったのだ。刺激があるのも当然。しかし今の承太郎にとっては致命傷に等しい。ぐじゅりとローションの滑りが、肉壁がパールを食いしばり1番大きい球が前立腺に乗りあげる。ボールは部屋の端にある。そこまで広くはない部屋だというのにとても遠かった。きゅうと丸まる体を抑え前足を一歩、進める。


「……ふっ、ん、ぅう…、は、」


のそのそと巨躯が這う
絶え間なく滴る先走りがなめくじのように床に跡を残し光っている。まだ白昼だというのに何をしているのか。後ろ足を動かしただけで電撃に打たれる。その度に止まって熱を逃がすのだ。一向に進まないのも訳はない。ゆっくりと時間をかけてなんとか果てずにたどり着いた。目の前のボールに手を伸ばす。


「ちょっと、何してるの?!」


背後からの鋭い声に肩が跳ねる
何か間違えてしまっただろうか。満腹になるまで味わった愛情を手放すことだけはしたくない。何もかもが奪われ、取り去られてしまうかもしれない恐怖におののく。犬でいい。犬で十分だから名前に愛されていたいのだ。頬を張られた時以上に怖い。名前が笑っていればいいのだが、今は確かめる訳もいかず振り向いて冷たく見下ろされていたらと思うと体が凍りついた。指の一本も動かせない承太郎に名前は言う。


「わんちゃんは前足を使わないの。咥えておいで」


なるほど、そう言う趣向か
今は耳も尻尾もある犬だ。ならばさっきのは明確な間違い、というやつだ。両手を床につけたまま首を下げ、あぐりとボールを噛んだ。新品なのか真新しいゴムの匂いがする。弾力がほとんどないので大きく開けた口で咥えるしかない。女の握り拳ほどの大きさ故に口のはじからダラダラとよだれが垂れ始める。ツー…ッと垂れ落ちた雫が床に光った。まるで本当の犬になったようでじくりとわずかに残った羞恥が呻きをあげる。はやく戻って吐き出したい。その一心で前足に力を込めた。




「…おかえり。よくできたね。いい子いい子。いい子にはご褒美をあげなくちゃね」

「っふん"ぐっ、ぉ、ぁ"あ」

「ん、ぺってして」


差し出された手にボールを落とす
よだれでベトベトだというのに白く小さな手が汚れながらも箱に戻した。糞も小便も何もかも見られたが触れても嫌な顔ひとつされないといよいよ受け入れられていると思ってしまう。べちょりと音がする。そんなものを触れても名前はおれを嫌わないのだ。どんな無様も惨めも受け入れられ愛されるとはなんと心地の良いことか。ベッドの上の名前に首を差し出すと片手でわしわしと頭をかきまわされる。華奢な足がシーツをまくりあげたと思えばぐりりと膝を踏まれた。


「ふふふ、前ジョータローが自分でいっていたでしょう。男の人はおちんちんさわられるのがきもちいのよね? ほら、やってあげるから足ひらいて」

「…いや、それは、」

「ひーらーいーてー!」


ちょうどベッドの下で正座をする姿勢
そのまま従順に『待て』をしていた承太郎にとんでもないこと言ってきた。尻尾が床にぶつからないようにややかかとを上げていた。承太郎の腹の下ではアナルからの刺激に屹立したものが今か今かと褒美を待ち望んでいる。駄々をこねる名前に命じられそろそろと膝と膝を離した。じっくりと名前が見ている。あの金色の瞳が見下ろしている。刺すように、舐めるように、無垢な目で見ている。急に恥ずかしくなった。こんな子供の前で一体何を。これから何をさせようと言うのか。じわじわと熱がわだかまり、理性とは裏腹に睾丸が沸く。父の様につり上がった口角を認識した瞬間ずぐりと腰が重くなった。ぷつりと鈴口から汁が溢れ幹を伝う。視線に、先走りに愛撫されているようで一層透明があふれた。


「…ひ、ひらいた、ぜ」

「ん。…足、汚さないでね」

「んなっ、…っく、ぅ、ァ…んんっ!」


無茶難題を突きつけられた。
もうすでにベトベトにぬれぼそった性器に何を言うのか。反論をしようとした矢先白いつま先がツゥ…と裏スジをこすった。手でなく、ベッドから降りることもせずにやわやわと幹を器用な足先で嬲られる。くりくりと鈴口をマッサージする様に親指が回り、きゅうと睾丸が持ち上がる。雄本来の快感。ずっと与えて貰えなかった刺激は一瞬で本能を思い起こさせ種付けろと叫びだす。カリ首が親指と人差し指の間に挟まれくいっと擦られる。ほんのひと擦りされるだけで熱い吐息が漏れ子種が輸精管を進んだ。


「……っぐ、ゥ、ぉオ"っ……ぅ、ぁ、」

「だめでしょう? 前足はひざの上において。……ふふ、きもちいわね、ジョータロー…?」


汚すなと言われた。
だから根元を握り込んだというのにそれすら咎められる。こんな風にされたら、尿道ブジーも貞操具もないのに雄を弄ばれたら果ててしまう。だから苦しくても我慢するつもりだったのに。今にも爆発してしまいそうな睾丸を握る手をそっと離す。チョンと触れただけでもぶちまけてしまう気がして臆病なほど慎重に両膝で拳を握った。浅く息を吐いて快感を散らす。射精したら名前の足にかかってしまうのだから。


「…〜〜〜っ、っひ、ァう"…」

「いい子ね。いい子だからいっぱいなでなでしてあげる。気持ちいいんでしょ?」


気持ちはいい
白い肢体がグロテスクなものに触れ、愛しい名前が笑顔なのだから。承太郎が悦を得るには十分過ぎる。だからこそ達してはならないという現状がつらい。この肉体は名前の足一本ですっかり支配されてしまっていた。くちゅくちゅと卑猥な音がする。ビクビクと中身を吐き出そうと痙攣する金玉がいじらしい。ひっひっと妊婦の様に息をつぎながら承太郎は必死で耐えていた。


「っゥ、ぁあ…っん"、グ、ぅ、…なまえもう、も、むりだッツ! っひ、でちま、く、ゥ…」

「もうご褒美はいいの?」


ご褒美?もはや拷問だ
とっくに達せられる刺激を、性感を名前から与えられているにもかかわらず精液をぶちまけてはいけないなんてとんでもない責め苦だ。薄く滲んだ涙が邪魔だ。ギリギリと膝に爪を立て痛みに逃げるが名前の声を聞くだけで体の力が抜ける。躾けられ切った肉体は承太郎の味方をしてくれない。首がもげるんじゃあないかというほど激しく意思表示をした。名前は薄く笑った後足を持ち上げる。薄く濁った先走りがつぅーっと土踏まずと真っ赤に充血した鬼頭を繋いだ


「そう。じゃあ今度はこっちのおもちゃで、音をならしちゃだめってルールでしましょう?」


名前の手の中で柔らかそうなゴム球が握りつぶされぷぴーっと断末魔をあげた。


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