苦しい。
ひとまわり小さめのチューブに押し込まれた性器が痛い。信じがたいことに承太郎はすでに3週間もの間射精を我慢させられていた。渡米してできた同居人は極度のサディストで管理癖があるらしく、これっぽっちも自由にさせてくれない。足元に縋って必死に懇願して、そうしてやっと鍵を渡してくれるのだ。同性なのだからどれほど残酷な事をしているのかぐらいわかるだろうに。アナルをいじくりまわされ膨張し、ギリギリとチューブに握りつぶされる痛みに耐えている承太郎にあっさりと告げたのだ。

ーーー「お楽しみはバレンタインの日に、な」と









*******************












おかしい。いつになったら帰ってくるんだ。
すでに普段の帰宅時間を2時間も過ぎている。せっかく作った料理も冷めてしまった。ヘラヘラとした優男故女にでも捕まっているのだろうか。それにしても遅い。すっかり期待した体はじくじくと疼き何度も勃起してはチューブに圧迫される痛みに縮こまっている。今日の家事当番が承太郎でなければデリバリーすら考える時間。女々しいか、とも思いながらせっかく準備したと言うのに。


「……くそっ」


空虚な罵倒が空気を揺らした
おそらく今日は帰ってこないだろう。ああ見えて大変モテる屑はあちこちに女がいる。承太郎の体を散々変えいじくりまわしたと言うのにさっぱり忘れているに違いない。約束をすっぽかすのも外泊も日常茶飯事だ。我ながらあいつのどこに惚れているのかわからない。飯でも食べて寝てしまいたいところだがこのままでは高ぶりが治らないだろう。何を期待したんだか、ベッドの枕元に置いたローションを手に取りシャワールームへと向かった。










********************










「っぐ、ぅ、ウ……」


にちゃり、と粘度の高い音がする
シャワールームの床に土下座のような姿勢で後孔に指を這わす。すっかり使い込まれふっくらと腫れた縁。そこを焦らすようになぞるとゾクリと背筋が震えた。ぬるつく人差し指でクルクルと円を描くように潰す。きゅむっと指の腹に吸い付くのが酷く淫猥で泣きそうになった。冷たいタイルに頬ずりしながら人差し指の関節を潜り込ませる。ここしばらく触れられていなかった尻穴は固く閉ざされ侵入者を阻んだ。きつい括約筋を宥めるようにぐにぐにと押し広げほぐす。

最悪だ。
ちんこを潰される痛みに欲情を増して、チューブに擦れる鬼頭に勃起して。押し下げられた逸物では連れションどころか立ってする事も出来ずいつも個室だ。先端に開いた排泄用の穴から流れるのを見ると屈辱に唇を噛む羽目になる。においを気にして洗えないそこにシャワーを当てると水流に引っ掻かれた鬼頭が微弱な快楽を拾い上げる。ミルキングすらして貰えず悶々と溜め込んだ精液が重い。どこまでも雄の尊厳を削りとる悪魔の道具だ。こんなものにすら興奮しているのだから救えない。

引き抜くとちゅぽり!と小さく響いた。
久々のことだ。いくら潤滑剤はあってもいい。左手でボトルを掴むと濡れた手のひらにぶちまける。透明な糸が流れひんやりと広がった。何度か握り人肌に温め右手を尻に戻す。縦割れに塗り込むとドロリと中に入る。舐められているようで気持ちが悪い。一瞬脳裏を駆けた妄想に首を振ると指を突っ込んだ。あの男が、名前がそんなことをする訳がない。ぐちり、と空気を孕んだ穴が叫ぶ。無視して鉤針のように曲げた指でぐるりとかき混ぜた。あの気持ちのいいところはどこだろうか。脱ぎ去った体も冷えてきた。知らず知らずに流れた涙がうっとおしい。必死で探る指が一点を捉えた。


「……ーーっっ!、ァあっ!!……ッギ、ぅ…」


ここだ。
膨張し握り潰される男根が痛い。ビクリと跳ねた体は電撃に打たれたように快感を甘受する。海綿体に流れる血液が脈打ち承太郎を責め立てた。しかし盛り上がってきた身体はそれすら悦楽に変えて興奮を増す。ぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てながらかき回すとどうしても開いた手が股間に伸びてしまう。しかし触れられるのは冷たいプラスチックのチューブだけだ。もどかしい。この壁一枚下に快感をくれるモノがあると言うのに。無駄だとわかっていても手が止まらない。片手でケツ穴を混ぜながらぬるぬるとプラスチックケースを扱く姿はどこまでも間抜けだろう。痛いにもかかわらず肉欲に支配された手は止まってくれない。当たり前だ。名前は承太郎が泣き喚いてもやめてくれないのだから


「……う"…いって、ぇ、っふ、く、ぁあっ!」


ビリビリと電流が走る。
見開いた目から雫が落ちる。痛い、痛い。痛くて気持ちがいい。名前に躾けられた恥部はどこまでも貪欲で健気だ。咥えたものが指一本であろうとも絡みつきにゅくにゅくと奉仕し始める。熱い体内で抗うように指を動かすと快感に膨らんだシコリにぶつかる。脳髄に急に叩き込まれる快感に痙攣した指先がぎちっと肉を引っ掻いた。


「ーーーーっ、あ"アッ!っひ、ぅ、ぅ"…」


慌てて動きを止める
ひっ、ひっ、と息を整える承太郎の脳内で名前の声がした。


ーーーーーたりねぇよなァ?
ーーーもっと、もっと気持ちよくなりたいだろ?


幻聴だ。
間違いなく、幻聴だ。
それだというのに熟れきった身体は体温をあげ泣きじゃくる。媚肉が賛同するように指を抱きしめ焦燥感あらわにうねりだした。きゅうきゅうと吸い付く肉輪が切ない。承太郎の意思とは別にもっと太いものを、たくましくて、気持ちよくしてくれるものをと叫びだす。

駄目だ。
この声を聞いては駄目になってしまう。
わかっているのに止められなかった。


「…ぁ、っくぅ、ンっ…ぁあぁっ!」


ぐっぽぐっぽと増えた指が出入りする
性具なんて恥ずかしくて使えない。痛みに泣きながらも疼きを慰めようと手が動く。床に額を擦り付けて三本もの太い自分の指で引っ掻き回す。まとめた指先でぐりりと前立腺を押し潰すと抑えられない嬌声が浴室に響いた。ギチギチと締め付けるカバーに涙が堪えられない。それなのに右手は別人のように甘い呵責を与えてくる


ーーそうそう、じょー君上手だねぇ
ーーーオンナみてぇで最高にやらしいぜ

「…っうるせぇッ!…ぁ、ぅっ、ン、ゥ"…」


思い出すのは最後に体を重ねた時のこと
からかうように遊ばれて、こっちは空っぽになるほどイき果てたのにバイブをぶちこまれ自分でいじれと命令されて。体はとっくに限界なのにバカになった精神は従順で。ーー思い出しただけで興奮した。じくじくと溜まった熱が重く腰に響く。ぬちゅっと肉襞は指の一本一本を味わい尽くそうとし快感を蓄積していく。性器からの痛みもスパイスだ。ようやく掴みかけた放出の兆しに歓喜する。湿った声が自然と漏れた。


「……ぅ、ぁ、いっ、いっちま、」

「へーえ、じょーくんってばケツ穴でイクんだ?」


ぴたり、と指が止まった。
いつ帰っていたのか。背後から聞こえた冷たい声に体が硬直する。心臓に氷を突きつけられたように熱が引いていく。萎えてしまったのか股間の痛みもない。ゾクゾクと背中を這うのは期待か恐怖か。どちらともわからないままそっと振り向いた。


「やー絶景絶景、ん?どうしたよ」

「こ、これは違くて、だな、その、」

「御託はいいから続けろよ。俺がおいしーいチョコレート作ってやるからさ。その間これでも使ってな」


にこやかに笑った悪魔は小さな箱を差し出した
何度も染め直し傷んだ髪が承太郎の前で揺れる。ぬぽりと抜いた右手で掴むとガチャリと箱の中身が揺れた。承太郎はこれを良く知っていた。散々遊ばれた小道具。名前に飼い慣らされた肉体が歓喜する。今、貞操具をつけたままで使ったらどうなるかなど自明だった。しかし名前は許してなどくれないだろう。この悪魔は承太郎が自分が誰かわからなくなるぐらいの快感に侵されて泣き喚いて、悲鳴のような嬌声をあげて、それでも自分が満足するまで弄ぶのだ


「…せめて、こいつをとってくれ」

「こいつって?」

「……お、おれのちんこについてる貞操具だ。っっなぁ、頼む!もう限界なんだ。金玉は爆発しちまいそうで、疼いて、苦しいんだ。頼む、名前、頼むから…ッ」

「爆発しちまえよ。オナニーすんのにケツいじる空条承太郎君?とっくにオス失格だろ、無くても誰も困んねーよ。キッチンから戻るまでに一番太いの突っ込んでねーとボールペン刺すからな」


思わず懇願すると吐き捨てられた。
オス失格になったのは誰のせいだと思っているんだ。あぁ糞、あのツラ殴ってやろうか。いや、そうしたら振り向きもせずに出て行ってしまうだろう。人の思慕に漬け込んで、もう名前無しじゃ生きられなくして、その癖捨てる時は躊躇すらしないのだ。ひどいひどい。最低最悪だ。ニコニコと人畜無害な笑みを浮かべたまま暴言を吐き出て行ってしまった名前に縋りつく事もできない。渡された小箱を見た。大小中、三本の尿道ブジー。太さが増すごとにうねうねと曲がりくねり凶悪なフォルムをしている。ローションはまだ残っている。一体どれぐらいで戻ってくるのか。予想も検討もつかないが急がなくては。名前はやると言ったらやる男なのだから。

すっかりしょぼくれてしまった陽根を持ち上げる
透明な、ツルツルのケース。何度も触ったせいで表面にローションがぬるついている。そこにドロリと追加で浴びせた。いや、注いだと言った方が正しい。排尿用の穴に向けてトロトロと流れ込むさまはひどくいやらしい。ゴクリと喉がなった。滑る手で一番細い一本を取る。金属製でつるっとした表面。3ミリ、6ミリ、9ミリの順で並んでいる。たった3ミリとはいえ本来入れるべきでない場所に挿入するのだ。その上最奥の前立腺をとんとん、と押されると承太郎はダメになる。思い出しただけでずぐりと腰が重くなった。片手でまんべんなくローションを塗りつけヒクヒクと刺激を待ち望む卑しい鈴口に切っ先を当てる。


「……〜〜〜〜〜っ、ぅ、ぁ、」


くぷっと苦もなく飲み込んだ
抵抗は軽く、淫らな体は男根ですら受け入れようとする。にゅくにゅくと前後させ後孔でしたように甘く刺し抜く。その度に先走りがとぷとぷ溢れぬめりを増した。ぬぷぷぷぷぷっと精路を割り開き侵略される。奥へ、奥へ。アナルどころか本来挿入する側である男根すら犯されて、女のように鳴いて、どうしようもなく興奮した。名前の手つきを思い出して動く手は乱暴に、勢いよく進んでいく。


「ぁ、ぁ……、ぁああ、…ぅ、う、」


白痴の様な声が漏れる
だらしなく開いた口は唾液が垂れるのも止められずか細い喘ぎ声を流していた。そして、


「、ッツ! ぁ"、んん"っ、ぁ、ひッ!」


こちゅりと前立腺に達する
強烈な刺激に目の前がチカチカした。名前に開発されきった前立腺に当たった。当たってしまった。一瞬気が遠くなり、構わず棒をこねくり回した右手に現実に叩き戻される。細いブジーの隙間からはとどめなく先走りが溢れベタベタだ。もう抜かなくては。名前に開発された一二を争う泣き所は尿道粘膜を擦られるだけで快感を貪りだす。これ以上触れていては頭がおかしくなる。慌てて引っ張ると軽く達していた体はさらに強くなった快感に痙攣する。


「ん"、……っく、ぁ、ーーーーーッツ!」


ずるずるずるっ、ちゅぽん!
無理に引っこ抜いた直後、ドロリと重たい精子が溢れた。睾丸の中で煮詰まり、溜め込まれた精液はゼリー状に固まりズズズズズッと尿道粘膜を犯しながら溢れ出る。重く、長い長い絶頂。その癖満足に勃起すらさせて貰えない男根は不満をぶちまけるように白濁を漏らした。

ポタリと汗が落ちた。
まだ、まだ一本め。入れろと命令された太さはこの3倍。コロコロと傾斜に従い排水溝に進んでいくブジーを他所に箱を見つめた。入れ終わるまで何度絶頂するのだろうか。従わない、という選択肢は無かった。










*******************










「はぁーい、おっ待たせー! ってやばいね!?」

「…っ、ふーっ、ふーっ、っひぅ、ぁ、ギッ!!」


ずっぷりと9ミリまで押し広げられた鈴口
その中のブジーは丸い先端を前立腺に埋めじわじわ、ずくずくと波状に快感を送り込んでいた。何度も慣らすために出し入れし粘膜をこすられた性器は異物が入っているというだけで悦びを感じ甘イキをしていた。深い尿道アクメをこらえようと必死で息を整える承太郎は瀕死の獲物じみていて実に哀れだ。それを半笑いで蹴り飛ばす名前は鬼以外の何者でもないだろう。よりによってパンパンに膨らんだ睾丸を蹴るだなんて、同性の癖に痛みを想像できないのだろうか。


「名前君特製チョコレートですよー。ほら、ありがとうございますは? 御礼ひとつ言えない承太郎君にはご褒美なんて、」

「っ、ぁ、ありがとうございますッ!」


うずくまり痛みを堪えていた体が起きあがる
尋常ではない激痛に悲鳴すら出せなかった承太郎だが『ご褒美』の一言を聞き無理矢理口を動かした。貞操具を外して貰うことをご褒美といい承太郎をいい様にするのが名前の手口だ。外された後いっそ逃げてやろうとすら考えるほど開放感を待ちわびていた。そんなことをして捨てられたらと思うとできないのだが。


「ん、いい返事だね。ほら食わせてやるよ」


浴室の中から引っ張りだされリビングに連れて来られた。ソファーの前の机には銀のボウルが並々と茶色をたたえて甘い匂いを漂わせている。どかりとソファーに名前は座ると目の前の床を指差した


「座って?」

「…あぁ」


言葉尻こそ上がったものの命令だ
土足で汚れた床に全裸で座らせるだなんてとんだひとでなしだ。とっくに知っていたが。しかしこの声、この顔、名前には逆らえなかった。全く惚れた弱みとはよく言ったものだ。一切着衣を乱さず組んだ足を承太郎に向けた。


「脱がせてよ。靴」

「ん……」


恭しく靴紐をとく
こうなればヤケだ。名前の望む様に振舞ってやる。チラリと見上げれば満足そうに微笑み目線で続きを促して来やがった。伸びきった靴下を脱がせると汗と土の匂いがする肌があらわになる。


「…で? 舐めればいいのかゴシュジンサマ?」


嫌味ったらしく言ってやる
床の上で奴隷の様にかしずきながら挑発する様に笑うと名前の手がくしゃりと頭を撫でた。


「分かってるじゃん。チョコ、クスリ入れすぎたのか固まらなかったんだよね。俺の足を浸けてやるから舐めとって? それくらい、じょー君余裕でしょ」


言うや否やボウルを落とし足先を浸けた
うわ熱っ、などと聞こえるがそれどころではない。クスリ、だと? そんなもの、どころから持って来たのか。食べても大丈夫なのか? いやそもそも足を舐めさせるだなんて正気か。色々混乱しながら見上げると笑われた。


「俺のちんぽ舐めてるじょー君なら楽勝でしょ。大丈夫、やばいやつじゃないからさ。……多分」


不安しかない。
しかし承太郎には拒否権などないのだ。眼前に突きつけられた節くれだった足を持ち上げ、舌を這わせた。甘い、が少ししょっぱい。足汗や爪に入った砂が原因だろう。クソッ、こんなのまるで奴隷じゃないか。これでも嫌えない自分が嫌になる。親指の股を細く尖らせ舐めとる。ちゅうと吸いつき短い人差し指と中指をまとめてしゃぶる。ゴクリと飲み干して、ゾクゾクッと快感が這った。どう考えても『やばいやつ』だろう。どんな薬を入れたんだ。ある程度チョコが剥がれたからか再びボウルに潜り、もう一度と促される。


「…うわーやばいかもね。舐められてるだけの俺も勃って来ちゃった。経口摂取してるじょー君、平気?」

「…ハーッ、ハーッ、…ぅ、ぃたっ」

「……あぁ、食い込んでるんだ。俺の足舐めて尿道に突っ込まれて勃つなんて変態だねぇ。変態の空条承太郎君にはどんとこいかな? さっさと食べてよ。……セックスしようぜ」


みちみちと膨らんだそれは欲情の証拠だ
一口飲む混むたびに肉欲以外が削ぎ落とされていくのがわかる。わかっているがやめられない。甘く、チョコレートよりも蕩ける声色で紡がれた囁きに舌が止まらなかった。両手で足首を掴み爪の間まで吸い付く様は無様極まるだろう。じゅうじゅうと唾液で白い足を穢しその報酬に甘美をもらう。コクリと呑むと体の中央で火が燃え盛って、もうどうにかなってしまいそうだ。しゃぶる、飲む、またつけられる、再び綺麗にしようと舌を這わせ、もはや何がしたいのかわからない。舌が痺れて、付け根の筋肉が痛くなった頃、ようやくご褒美が貰えた。


「やー、いい食べっぷりだったよ。作り手冥利に尽きるってやつ?」

「…っは、ぅ、早く、鍵を……」

「なんで?」


きょとんと見下ろされた。
こうして見ると童顔でいっそ愛らしい。しかし何故承太郎を解放しなくてはいけないのか、と問う顔はただただ恐怖だった。


「…は? セックス、するって言ったじゃあねぇか」

「…? うん。だから? じょー君が突っ込む訳じゃないんだから、さ。尻は空いてんじゃん。ケツ向けてよ」


一拍おいて理解が追いつく。
そんな事があってたまるか。この外道め。媚薬に散々犯された肉体は煮立って沸いている。ギリギリと締め付けられた股間は激痛だ。だというのにこのまま犯されたら、名前ので奥まで突かれて、ぐちゃぐちゃにされたらどうにかなってしまう。一瞬で蒼白になった承太郎を名前は苛立った様に押し倒した。


「ッツ!嫌だ、やめっ、」

「やめてもいいけどさぁ、じょー君もう満足できないでしょ。俺は別に出てってもいいんだよ。泊めてくれるもっとカワイー子、いっぱいいるし。ね、どうするの」


知ってる。
そんなことは知っている。こんなゴツい男よりも小さくて柔らかい女の方が名前もいいだろう。そしてこの屑はたいそうモテるのだ。耳を犯す様に囁枯れた甘い声に喉が引き攣った。


「…だ、だめじゃ、ねぇ、から…」

「から?」

「お、犯して、いいから、出ていくな…ッ!」


聞く方が切なくなる様な声
縋りつくように振り絞られた声は承太郎を縛り上げる。名前はネズミを捕まえた猫のように微笑すると承太郎の頭を床に押し付け、嘲笑した。


「じゃ、遠慮なく!」

「ッツーーー、ぅぐ、ぁあっ!!」


ずりゅっ!と勢いよく入る。
承太郎自身の手でほぐされ潤滑剤の入れられたそこはたやすく飲み込みぱちゅんっ!と下生えがつくほど名前の凶器を受け入れた。指では到底届かぬ奥を擦り上げられ、ヒュッと息が押し出される。エラの張った先端がごりゅごりゅとヒダを躾けようやくやってきた主人に媚肉が絡み出す。汚い床に頬を擦り付けられながら犬の交尾の様な姿勢で犯される


「っっっひ、ぁ"、ぅう"っ! …っふ、ぁ、」

「…っはー、やっぱじょー君名器だわ。うん、すごいいいよ。……ってか、っはは、入れられただけでイッたんだ?もう立派なメスだね」


何か言っている
何かを名前が言っているのが聞こえるが脳が理解しない。ばちばちと深い絶頂が爆ぜて消えてくれない。収縮するナカが勝手に雄に奉仕しだす。これ以上酷くしないで、と哀願する様に媚肉が媚びを売る。その動きに一切名前は動いていないというのにまた達する。イってイってイって、絶頂から降りてこられない。白く瞬く視界で悪魔が笑った。


「……ぁ?、ーーーっっつ!や、ヒッ、ぬくな、ぬいちゃっ!」

「えーなんで? じょー君も精液出したいでしょー」


今はダメだ。
今抜かれたら本当におかしくなってしまう。細く節くれだった白い名前の手が可哀想に震える貞操具に包まれたちんぽに触れていた。正しくはその中。名前のものと挟み撃ちする様にあるブジーだ。ぬろーっと引きずり出される金属に引きずられる粘膜が酷い。半狂乱に泣く承太郎をなだめる様に頬を触れられた。


「じょー君も男の子でしょ? 精液出さなきゃ女の子になっちゃうよ。それでもいいの?」

「…ぅ、ぁ、いい、から…なまえのおんなになる、から……も、ゆるして、くれ…」


グズグズに溶かされる。
もう気持ちいのはいらない。メスイキで萎えたのか男根からは純粋な快感しかこない。痛みがあればそれに縋れたがもはやそれもないのだ。このまま法悦に浸されたら頭がおかしくなってしまう。気が狂う。それは嫌だ。イキたくない。射精などしなくていい。ただ名前と抱き合って、その体温を感じていたかった。


「…ふーん。じゃ、勝手にすれば」

「ッえ、っぁあ"、ん、オ"ぉっ!!ーーーーーひぎゅっ!!…ぁ、やらっ、も、ぃきたくねっ!!」


ぐちゃっ、ぬぷぷっ、ぱんっ!
ローションと精液と腸液の混ざる音
ひたすら奥の奥まで叩き込まれ、健気に奉仕し愛を伝える肉壁をこそぎ落とし蹂躙する音。ただのオナホの様に尻を突き出し使われる。名前には承太郎の事などどうでもいいのだろう。悲鳴の様な嬌声が上がる。快感から逃げようと床に立てた爪がカリカリと音を立てた。気が遠くなるようなケツ穴からの快感に意識を飛ばされ、無理矢理尿道粘膜を引きずられる快感に叩き起こされる。地獄だ。淫獄だ。失神しても終わらない。名前が満足するまで終わってくれない。承太郎にできるのはひたすら泣き喘ぐことだけだった。










*******************









「あ、起きた」

「…っけほ、…でめぇ"……」


喉が枯れている
終わった後ほっぽらかしにされたのか乾いてカピカピする精液と異臭のする床が気持ち悪い。土足で歩く場所で寝たから体に砂がついている。この分では腹も下しているだろう。思わず眉根がより名前を睨みつける。それにヘラヘラ笑うと言った。


「昨日は気持ちよかったよ。まさかバレンタインにあんなサプライズしてくれるなんてじょー君最高。大好き」


あっけからんと悪びれもせず言う
かき抱かれ頬にキスを落とされる。これだけで怒りが萎んでいくのだから我ながら単純なものだ。ニコニコと上機嫌そうに笑う名前。この笑顔に弱いのだ。はぁとため息をつくと口を開く。


「…冷蔵庫、見たか」

「……へ?」

「適当にチョコレート買ってきたんだ。やるよ」

「マジで?! じょー君愛してる!!」


こいつの方がド単純かもしれない
いそいそと冷蔵庫を下半身丸出しで見に行く姿に別種のため息が漏れる。しかし、それでも子犬の様なあの感じは嫌いじゃなかった。


「あ、そーだ。じょー君。この後俺の彼女くるからちょっと出てってくんない? やっぱルームシェアって言ってもプライベートは必要だと思うんだ」


やっぱり死んでくれ

次へ

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -