「ぁ…ぁあイきたい…イかせて、くれ…」


はっはっと獣の様に息を荒くする。
ぐったりとして動かない体をスタープラチナで無理矢理動かしスラックスと下着を脱ぐ。汚れが付くのも構わずコートを床に脱ぎ捨てる。上はインナーだけ、下は無しという下手な全裸よりもいやらしい格好でベットの上に乗り上げる。


「そう…なら承太郎、自分でやってみて?」

「…は、ぇ?」

「は、じゃなくて。わたし承太郎が『自慰』してるの見たいわ。きもちいいんでしょ?上手にできたら…そうね、お腹も減ったし夜食にしてあげる。」


ゾクリと背筋を快感が走る。ここ一ヶ月ずっと名前は普通の食事をしていた。吸血鬼の異常な能力を使わなければエネルギーも必要ないらしい。せめて人でも襲ってくれたら代わりにと差し出す理由ができたのにわざわざ生き血を与える理由もなく輸血パックに嫉妬する日々を送っていた。

あの食事の時にチラリと覗く牙が首筋に突き立てられる感蝕、確かな痛みとともに快感の波が押し寄せじゅうと血の気がひく感覚。傷が癒えるまでじくじくとした痛みが体に流れそれを意識した瞬間ギリっと貞操帯に食い込むのだ。今は解放されているがそれは決していい事ではない。

貞操帯を外される事は血を飲んで貰えないこと、射精したくてもできないことと同じだった。否、外されっぱなしという事は急に勃起しないように吸血しない、つまり貞操帯を強請るまで一切の性的な刺激を名前から貰えない事に等しく自由な筈なのに首輪を求める己を認識させられ疼きが増していた。

そんなじわじわと火で炙られるような焦らしを自らに課していた承太郎は恐る恐る自身に手を伸ばした。


「…ぁ、ああ っは、……ぅんッは…ぁ」


ぐちゅりぐちゅりと卑猥な音が承太郎の鼓膜を犯す。縄で視線でずっと焦らされ続けた自身は先走りでテラテラと濡れ、力の抜けた大きな手が上下する度に大きな、しかし決して決定打にはならない刺激を承太郎に送っていた。

足を名前に向かって開き膝立ちと正座の中間のような姿で主人の言うままにオナニーショーを承太郎はしている。捕食者に食べていただくためにさんざん追い詰められた体を自分で責め許しをまだかと待ち望む、誰がどう見てもそこにいるのは劣情に支配された人間以下の犬だった。

潤んだ瞳は主人の牙を乞うている。つーっと呼吸のために空いた口からよだれが垂れて床を汚した。じっと名前から目を逸らさずに手だけが機械的に動いている。『気持ちよくなっているところを見たい』と名前は言ったのだ。どれほど苦しくても無情な両手は承太郎を嬲り続けた。すっ、と敏感な裏筋を右手が撫で承太郎の呼吸が荒くなったと思うとそのまま左手が亀頭をぐりぐりと痛いほど擦り開発された尿道が空腹そうに口をパクパクと開いた。

そうしてどれほど時間がたっただろうか。承太郎には永遠にすら感じられた拷問がようやく終わりを告げた。名前のお許しが出たのだ。


「ふふ、かわいかったわ承太郎。とってもかわいかったからご褒美あげる。言いなさい、なんでもしてあげるわ。」


幼い姿に艶を乗せ名前は承太郎に迫る。ぎゅちょ承太郎を名前は腕に捕まえ耳元で囁いた。

「それこそ…わたしを犯してもいいのよ?」

ぼんやりとした目を爛々とギラつかせ承太郎は先走りでべとべとの手で名前をベットから引きずり下ろす。その勢いのままダンッと床に押し倒し腕を名前の背中に回すと荒い息、赤い頬で震え声を吐き出した。


「……ッ、そんなことより血、吸ってくれ…もう一か月たつんだ…いきたい、もう我慢はいやだッ」


ふふっと軽く名前は笑った後半身を起こし承太郎の肩に八重歯を当てた。それだけで承太郎はびくりと期待に体を揺らした。ぷつっと皮膚に食い込み薄っすら血が滲む。白い肌を赤い線が走る。それを名前の舌が追いかけた。垂れてくる分を無心で舐める。もはや背中にあった承太郎の腕はだらんと力無くたれ下がり承太郎は名前に食い漁られるのを待つ肉塊と化していた。かつてDIOにその血を捧げた女と同じ顔で名前がちゅうちゅうと血を吸うのを至福としていた。

ひと段落したのか最後にペロリと傷口を舐めた後名前は承太郎を見て喜色満面、心底楽しそうに笑った。


「ふ、あはっ、そんなにヨかったのね。何も触ってないのに出しちゃってるもの」


視線の先には白濁をとぷとぷと溢れさせる自身とだらしない淫らな顔でぼんやりしている承太郎の姿があった。

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