×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


05 


先日買い物に行った後、夜ごはんまでには時間が少々あったので、お風呂に入ってから作ろうかなと先に入浴を済ませていたらその間に風魔さんがご飯をつくってくれていた。

しかも私がカレーひと品で済ませようとしていたのに対し、風魔さんはちゃんと五品目ほど作ってくれていてなんというかやべぇな・・・・・と思った。本当にヤバイ。え?現代の調理器具とかほとんどわからないはずなのにこんなに出来るもんなの??お母さんが教えてた可能性は大いにあるけどだからってすごくない?なんなの?天才なの?

自宅の食卓テーブルの上にこんなに品数が揃っているのは初めてかもしれない。いつもは大体カレーとサラダとか、焼き魚とみそ汁とご飯とか、そんなもんだ。なんだこれ。自分の家じゃないみたい・・・・・・


「しかもめちゃくちゃ美味しい・・・・ありがとう風魔さん・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」


ものすごい勢いで、感謝しながらご飯を食べ終わった後食器まで洗ってもらった。

そんなことがあったので、前日から私の中での風魔さんの認識は天才である。器用?なんだろうな。大体のことはそつなくこなせるタイプ。にしても生きてきた時代とか全然違うのにこれだったら、やはり天才の類な気はする。


そして今日の朝。お弁当を渡された。


「あ、あぁえっと、お弁当?」

「・・・・・・・・・・」

「え!?いや全然嫌じゃないよ!むしろ嬉しいっていうか・・・・・ありがとう・・・・」


しみじみと感謝を呟きながら、両手でお弁当を受け取る。懐かしいな。中学のときに使ってたお弁当箱、まだ家にあったんだなあ。

なんだかんだいって、お弁当つくってもらってたのは中学までだし、親も忙しいからなんとなくおにぎり持っていったり、コンビニで済ませたりしてたけど。突然だったから本当にびっくりした。そして何よりも嬉しい。

風魔さんのつくった料理がおいしいことはすでにわかっているので、自然と頬が緩む。


「ほんとにありがとう!助かったよ」

「いいお婿さんになるわね〜」

「いやこれだといいお嫁さんでしょ・・・・・行ってきます!」

「行ってらっしゃい」

「・・・・・・・・・・」


お弁当を受け取ってからというもの、浮かれ切った気分のまま登校し、ずっとお昼までわくわくしていた。

何が入っているかもわからないし、きっと昨日の晩御飯の残りが入っていたとしても、それを朝から知っていたとしても私は同じ気分のままなのだろうなと、なんとなく思った。浮かれてしまってしょうがない。


風魔さんの料理は、友達にも好評だった。


prev / next
[back]