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僕に構って!



今日はなんだか、いつもよりリンクの甘えたが酷かった


「ちょっと、離して!離せ!このやろう!」

「やだ!絶対嫌だ!」

「お前は何歳児だ!」


布団のシーツを干すためにカゴを持って移動するのはいいが、如何せん先ほどから腰にへばりついているリンクが邪魔で動こうにもうまく動けない。いくらやめろといっても聞かないので無理矢理引きずろうとしてみるが、そこはリンク。私が人一人分の体重を引きずるのも一苦労だとわかっていて、わざと踏ん張りながらその場に留まるように足に力をいれやがった

これじゃあ洗濯物も出来ないだろう

困ったなぁ・・・と眉を下げてみても、やはりいつもより甘えたい気分なのか、リンクは離れてくれない


「リンク。後で旅の話とかちゃんと聞くからさ」

「いやだ」

「早いよまだ何も言ってないよ」


今は早くカゴの中身を干させてくださいという私の申し出は、口にされることもなく消え去っていった。早く干したほうが乾きもいいんだけど・・・・・・

仕方がないのでカゴを置いて、私の腰に回っているリンクの腕をがっしりと掴んだ


「離せって言ってるでしょーが!」

「いやだって言ってるでしょーが!」

「もう!リンク、早く干さないと生乾きのままシーツ使うことになるんだよ?いやでしょ?」

「でもなまえから離れるのは、もっと嫌なんだ」

「リンク・・・・・・」


わがまま言える歳じゃないはずなのに、母性をくすぐるような甘え方をするリンクは一体どういう計算でしているのだろうか。いや、たぶんこれ天然だな。天然たらし。リンクってば鈍いし疎いし計算高くはないから、甘える方法だってただ単に自分がしたいようにしているだけなのだろう

恐るべしリンク。

しかしリンクの腰を触る手つきがなんだかいやらしくなってきているので、抵抗も含めてもう一度腕を掴む


「リンク!」


結構本気で彼の手首をギリギリ締め上げると、割と痛かったのかするりと手が離れていった。それをいいことにカゴを手に持って、庭へと出る。

リンクはそれでも項垂れながら私の後ろを引っ付いてきた。本当、飽きないなぁ・・・・いくら引き剥がしても離れないその根性だけは褒め称えてあげたいくらいのものだよ


「なまえ酷い・・・・!」

「酷いもなにも、後で一緒に居てあげるってば。今は洗濯物が先でしょ?」

「うっ・・・・」


反論できないのかしないのか、やっと大人しくなったリンクに満足げにうなずいて、洗濯物を手に取る。そして竿にタオルやシーツを掛けていっていると、ふと後ろの気配が動いたような気がした。


「うわっ」

「あはは、なまえいい匂いー」

「やめろ!」


立ち直り早っ!

落ち込んだかと思えばすぐに起き上がるリンク。懲りずに後ろから抱きしめてきたリンクに次はどうしてやろうかと頭を捻ったところで、突然リンクの手が私の服の下にもぐりこんできた


「ひっ!?」

「あー・・・なまえ・・・・・・・」

「ちょ、ちょっと待ってリンク!っあぁ・・・!?」


背中の中心を、触れるか触れないかギリギリのところで上から腰まで撫でられる。それに甘美なものとは全くもってかけ離れた、ゾクゾクした感覚が襲ってきて自然と体が震えた

咄嗟にリンクの傍から離れようとすれば、リンクはそれがわかっていたみたいですぐに私を抱きしめなおす


「ねぇ、構って」

「だから、後でってさっきから・・・・!」

「またするよ?」

「あ、やだちょっ、うあ!」

「いやだったら構って」


お願い構って

そういって私の背中や腰をもう一度撫でようとしてくる彼に一発決めてやろうと思い、振り返って彼を抱きしめて窒息しかけるまで離してやらなかった。しかし死に掛けたにも関わらず幸せそうな顔をしていたリンクに、私はもう一度、彼の頭を引き寄せて耳を引っ張ってやる


「今日だけだからね!」

「・・・・!やった、ありがとう!」


私が離しても抱きついて来ようとするリンクを半ば投げ飛ばすように引き剥がして、カゴは外に置いたまま、二人で家の中へと戻った

なんだかんだ折れてしまう私は、彼に甘いのだろうか。