「ほら」 「え?」 「俺が鬼やることになったんで、豆でもなんでもぶつけてください。鬱憤でもいいんで」 どうせ俺がこうなることはわかってたんだ。どこの地域の文化なのかどうしてこんなイベント事があるのかは知らないが、恨むぞ文化。俺は鬼役なんてしたくない。しかもこういった展開は姫様の行動の先が読めないもんだから、怖い 本気で豆投げつけられたらどうしよう?シークじゃないだけまだマシかもしれないが・・・・痛いだろうなぁ 遠い目をしながら豆の入った箱を渡すと、姫様ははて、と首をかしげる 「何かのイベント事でしょうか」 「えぇ。遥か東の国では邪気を追い払うために豆をまくんだとか。ちなみにそういったイベントでは必ず鬼というものが存在しており、その鬼役に豆をぶつけて大層楽しんでおる様子です」 「その言い方ですとまるでリンチではありませんか?」 「違うんですか・・・・?」 まぁ遊びも兼ねてるだろうから、リンチではないのかもしれないが。しかしそれがもし本気だとしたら豆まきというイベントは一気に最悪なものへとイメージを変えてしまう 「では、私は豆を貴方に投げればよいのですね?」 「そうですね。そうなりますね」 切実にやめてほしいけどな 「でも、私は大切な大切な夢主を怪我などさせたくはありません・・・・」 「いや怪我させるほど豆ぶつける気だったんですか!?」 「どうせならそうしますでしょう。誰か夢主の代理の者を用意して、一緒に豆まきを楽しみましょう?」 「しませんよ!人は傷つけちゃいけませんって小さい頃言いましたよね俺!?」 「覚えておりません。第一、鬼役に夢主を任命したのはどこの者です!?夢主が鬼というのならば追い払えないじゃないですか!一生傍においておくんですから!」 「邪気を!?それとも俺!?鬼は役であってそれを楽しむもんなんですよ!あと出来ればそろそろ解放してくれると有難いです」 「嫌です。また牢屋行きにされたいんですか」 「大変なご無礼を申し訳ございませんでしたッ!」 △ back ▽ |