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「丁度いいサイズだったんだ」
「それはそれは、よかった」
店主は笑った。特注で頼まれた品を褒められて喜ばないはずはなかったからだ
しかし一体なんのためにあんなに大きなものを頼んだんだと店主は思う。大きな動物でもいれるつもりだったのか、それとも何かもっと別の用途があったのか
店主は問い詰めるつもりはなかったが気になったので、尋ねてみた
「しかし、あんな大きなものに何をいれるつもりだったんだい?部屋に置いておくにしても相当場所をとるだろうに」
「いいんだ。あれは動物を飼うものだったから、それなりの大きさが必要で」
「まさかトラかライオンかを飼うつもりで?大きなベッド四つ分ぐらいの大きさはありましたぞ」
「それもセミダブルのベッドぐらいにはあるね」
セミダブルのベッド四つ分となれば相当大きい。店主はまだ不思議だったが、トラやライオンを飼うとなるとそれぐらいは必要だろうと納得した。そもそもそういった動物が果たしてペットに出来るかどうかわからないところではあったが、ショーでもなんでもそういった動物が使われていることは知っていたので、何も言わなかった
檻を作れといわれたときは何事だと思っていたが、そうか。動物か
素材は丈夫な鉄で作られているものだし、大丈夫だろうと頭の隅で特注の檻を思い出しながら思った
「まぁいいや。写真とれたら今度見せてくれ」
「あぁ」
ルピーはきっちりはらってもらっている。何も問題はない
リンクの背を見送りながら店主は、次の仕事はなんだったか、と呟いた
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コンコン、とノックをした。リンクに用事があってきたのだが、どうやらリンクは留守のようで訓練もないのにどこかへ出かけているようだった
小さく首をかしげて、じゃあメイナのところにいるのかな?と考える
“誰かいるの・・・・?ラナ?王女?インパさん?”
またメイナのところへ行っているのか。でもそういえばラナは、ヤクシャのところでメイナを見たとき以来姿を見ていないような気がした。メイナを逃がすとかなんとかヤクシャという男は言っていたが、はたしてあのときからメイナはどうしているのだろうとふと気になる
「やっぱりいないかぁ」
“・・・・・!ラナ!ラナ!?助けて!!ラナ?ラナなんでしょ!?いや、嫌なの!!助けてよ!!聞いてお願い!”
物音も聞こえなければ声も聞こえない。足音もない。だったらやはりリンクはいないのだ
ラナは諦めてリンクの部屋の前から立ち去るべく、足を動かした
“な、んで・・・・なんで誰も聞いてくれないの!私はここにいるのに!!聞こえてないの?私の声は聞こえてないの!?”
やだ、やだ嫌だ嫌だ嫌だやだやだやだ!!!
私はここ!!これは何!この檻は何で出来ているの!?ただの鉄格子じゃないでしょ!?
(泣き叫んだって誰も来ない。暗い。怖い。こわい)
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