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どうも最近おかしい。
私は悩みながらも慎重に、それこそ転ばないように街を歩く。
「(前はそこまでなかったのに・・・・・)」
うんうん悩んだって仕方がないことはわかっている。というのも最近の私のこの怪我、酷くなってきているような気がしてならないのだ。今まではいくら怪我したとは言っても縫うほどのものではなかったし、何もないところで転ぶだとか、そういったことだけだった
それがこの怪我にこの前飛んできた鉄パイプに落ちてきたシャンデリア。もう本当に意味がわからない。それくらい私は混乱している
リンクが傍にいるからという仮説はどうやら本当なのかもしれなかった
「メイナ!」
「着いていくるなら着いてくるでちゃんと言ってよ・・・・もう」
いつも履いていたブーツの底が擦れて薄くなってきていたからとブーツを買いにくれば、おまけでリンクが着いてきやがった。私は気づかれないようにため息を吐き、リンクには視線も向けず足は止めない
どうせ今日もロクなことがないのだろう。そんなのわかってる。
もうずっとリンクのことは苦手だと思っていたが、これじゃあリンクがトラウマになってしまう。リンクといたら必ず怪我をするからと、もしかしたらリンクに対して拒否反応もそのうち働きだすのかもしれない
まぁそれはそれでいいのだが問題はリンクである
リンクは一人っ子だ。両親も大分前に亡くしてしまっていたし、そうなれば頼れる身内のような存在がいなかった。唯一私が今は傍にいるが、それにも限度というものがある。ましてやこんな状態だ。リンクの傍にいたら私まで天に召されかねない
リンクにブーツを買いにいかなければいけないことと、あとケーキでも食べに行こうと話をしながら街をぶらぶら。どこのお店で買えばいいのかわからないし、特注で作ってもらうのであればちゃんとした靴屋さんにいかなければいけない。さて、どこにしよう
そう悩みながら角を曲がろうとしていたところで、どこからか人の叫び声が聞こえた
いや、うん。このときから嫌な予感はしていたけれどもさ
「暴れ馬よー!!」
女の人の甲高い声が町中に響く。
丁度そのくらいで黒く立派な馬が角から出てきて、リンクがメイナの腕を掴むよりも先に馬はメイナめがけて走り出した。メイナなどまるで障害物ですらないとでもいうかのように蹴り飛ばしていった馬は、やがて誰かによって落ち着けられたが、頭から血を出して倒れる彼女を見てリンクは、冷静ではいられなかった気がする。正直あまり覚えていない
血が見えたことも、メイナが倒れたまま起き上がらなかったことも、メイナの持ってきていた荷物が衝撃によりばら撒かれていた光景も覚えてはいるけれど、そこで自分が何をして何を言っていたのかまでは、知らなかった
これだけ、人数がいて
これだけ人々がいて、これだけ人間が密集している通りなのに
被害者にあげられた名前は、メイナのものだけだ
ここで初めて俺は俺のせいだと思うのだった
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