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意識が全くといっていいほど覚めない、眠ったままのメイナに、リンクは持ってきていた荷物を椅子の上に置いた。本当は部屋には来ないほうがいいのだろうが、少しだけ。

どうせメイナも寝てしまっているし、今なら何も起きはしないだろう


「俺のせい。・・・・そうなんだよね、メイナ」


もうしばらくこのままにしておけば、メイナは目が覚めるだろうという医師の話に、リンクは心底ほっとしたのを今でも覚えている。たぶんだけれど、というか本当に俺は馬鹿で懲りないやつだってわかってるからたぶんなんかじゃなくて、確実にそうなんだけど

メイナをこんな風にさせたって、離れる気は微塵もないのが本音だ

メイナがどう思うのか、これから俺に対してどう接するのか、そこらへんは気になるところではあるが、離れるなんてそんなことは絶対にさせないと思う。メイナが好きだという理由が一番だ。あとは、メイナの傍は居心地がいいのと、気が楽だったりすること、色々ある。

でもどうしてメイナから離れる気が微塵もないと今の現時点でわかっているのかと聞かれれば、それは簡単だった。答えはリンクの行動だ。リンクはメイナが倒れてからというもの毎日救護室に来ていたし、それを止めるものも誰もいなかったから余計にリンクは気の向くままにメイナのもとへと足をむけていた。

当たり前だった。だって誰も俺とメイナのことなんて知らないのだから、止められるわけがないのだ

買って来たブーツをベッドの傍に置いて、メイナが持っていたブーツは捨てることにして袋につめる。メイナのブーツはシンプルな黒のブーツにした。リボンがついているが、彼女は元来靴などそういったものにこだわるタイプの女ではなかったし、ブーツでシンプルなものならなんでもいいという話を聞いていたので、リンクはそれを買って来たのだ。お詫びとして。そして、謝罪の意もこめて。

サイズは前のブーツを見て知った。元からもっていたブーツを捨ててもいいというのも前にメイナが新しく買ったら捨てるといっていたので、リンクは置いておいても邪魔だろうと捨てることにしたのだ。


もうじきメイナも目を覚ますだろう

けれども、こんなボロボロな怪我だらけの体じゃあ、城下町に行くのだって困難だ。

だからリンクは買ってきたのである


「(あとは何がいるんだっけ・・・・)」


リンクはメイナが必要だといっていたものを頭の中に並べて、自分が今選んで買えるものだけをリストとして頭に残した。今度、買いにまた城下町へ出よう。リンクは明日から一週間ほど遠征にでなければいけなかったが、その後でも別に構わないだろうと思い、ブーツを捨てるべくメイナの顔を一度覗き込んでから部屋を出た

どうしてここまで自分に執着するんだってメイナは思うだろう

もう近づくなと、怖いといって怯える姿を見るのもそう遠い光景ではないのかもしれない

リンクはそれでもメイナを愛していたし繋がりを断ちたくはなかったので、結局は彼女がどれだけ苦しもうが、元凶であるリンクが彼女への想いを止めることなどできないのだ


「メイナが怪我したって聞いたんだけど!大丈夫なの!?」

「あぁ、心配はないみたい」

「そ、う・・・・・・ならいいんだけど・・・・メイナは?」

「まだ寝てる」

「そっか・・・・・」


あまりにもあっさりとしているリンクに、ラナは違和感を持たずにはいられなかった




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