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「リンク君と仲いいんでしょ?趣味とか好みとか教えなさいよ」
「趣味は知らないけど・・・・一番興味を示すものっていったら動物じゃないかなーエポナ大好きだし」
「そんな情報あったってしょうがないじゃない!もっと役にたつものが欲しいの!今年のクリスマスこそリンク君と過ごすんだから!」
いや、なら別に一緒に過ごせばいいじゃないか。私関係ないじゃん?リンクの好みなんて知ってるわけないじゃん。友達の趣味だっていまいち把握してないのにリンクのことなんて知らねぇよ
そうは思ったけれど口には出さなかった。彼女も彼女でリンクのことが大好きなのだろうからね。けれども残念ながら本当に、リンクの趣味なんてしらないのだ。いつも見ている光景といえば鍛錬しているところか、暇なのか私を地味にストーカーしてくるところか、私の仕事を妨害してくるところか、姫たちと話をしているところのどれかである。他にもあるが大体昼寝してたりするから、やっぱりいまいち趣味なんてわからない
剣の手入れ?・・・・うーん・・・微妙・・・・違うだろうなきっと・・・・・・
「これといって趣味とかは特にないと思うよ?」
「本当でしょうね?リンク君に趣味聞いてきてもいいの?これで嘘だったらあんたを八つ裂きにするからね!」
「女って怖い」
「じゃあ聞いて・・・・・・・」
「メイナー!」
来た。今日も今日とてきやがったぞあいつが
女友達(とはいっても名前はもう忘れてしまった)がリンクの姿を見るなり頬を染める。乙女らしい反応をしているところ悪いが、リンクなんて顔とかスタイルがいいだけで中身そこまでないと思うよ。あと腕はいいし兵士としての力もあるけどそれだけだよ
人間離れしてる男のどこがいいんだ
こいつ空き瓶に詰められて一時間振り回されてもなんともないやつだぞ
女の子は私のことなどもう既に視界にすら入っていないのか、リンクに釘付けである。そんな女の子にニコッと愛想のいい笑みを浮かべて、それから私を見た。うん。今日は雨で湿気も多いからか、リンクの髪の毛も若干はねてるね。それでも私よりマシだねどういうこと
「あ、あの、一つ聞きたいことがあるの・・・・!」
私に対するものとは打って変わって、高い猫なで声でリンクに喋りかける女の子。私は成り行きをなんとなく見ようかなぁと思い、二人を交互に見た
「リンク君の趣味って、なあに・・・?」
「え?」
リンクがぽかんとした表情になる。私と視線があうと数秒悩んだが、答えが出たのか真顔で即答した
「メイナ」
「え」
「メイナ」
女の子までならず私までかたまってしまった。しかもリンクが何故か笑顔で私に近づいてきたので絡まれる前に退散しようと歩き出したら、雨で濡れて滑りやすくなっていた外の廊下に足をとられた。転んだ私の末路は骨折でした。しかも足の。
「ぎゃあああ!!痛い痛い痛いいたい!!何これどうしたの!?足痛い!!」
「骨折したのかもしれない!早く救護室に行かないと・・・・」
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