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 #「助かるわ!」



使用人をはじめてから二週間がたった。

時間が経つのはあっという間で、すぐに使用人のリーダーさんやほかの方々とも打ち解けることが出来た。ここの人達はとてもいい人ばかりだ。非常に助かる。

私のスケジュールはほとんどが掃除ばかりなのだが、大概の使用人たちもそうらしく、厨房に足を踏み入れることのできる使用人は認められた人達だけらしい。なんでも、やっぱり毒を盛ったりする輩が世界にはいるようなので、それの対策だ。

まぁ・・・・平和な日本で生まれた私には、まず食事に毒を盛るっていう事自体がありえないんだけど。今までそんな話すら聞いたことなかったし。

とはいえこの世界ではありふれたことらしいので、一応納得しておく。怖いなあこの世界。


「コナギちゃん、そっちの仕事終わった〜?中庭のほう手伝ってほしいんだけど・・・・」

「もうすぐ終わります!手伝いますね」

「助かるわ!」


私の一日は、だいたい掃除で終わる。


▲▽


「怪しい動きはやはり、ないか」

「はい。普通の女の子ですよ」

「見張っておいても無駄ということだな。ルフも彼女には干渉しないようだし、本当に・・・・・」

「あの、失礼ですが。あの子は一体何者なのですか?ここまで監視せずともよろしいのでは・・・・?」

「彼女は遠い異国の者だよ。あんなお嬢さんでも、やはり警戒はしておくべきなんだ。素性を知らないのだからね。何か起きてからじゃあ遅い」


使用人である女は頭の中でせっせと掃除に勤しむコナギを思い浮かべる。確かに最初は不思議な洋服を着ていたものだから、ここらへんの人間ではないとは思っていたが・・・・まぁでも王が決められたことなのだから、そうしたほうが賢明なのだろう。

そして今、警戒するに値しないことも結果として出てきたというので、私も気兼ねなく彼女と接することが出来るようになった。


「ひとまず君は休んでくれ。夜も監視ばかりしていてはろくに眠れなかっただろう?」

「私の身など案ずることはありません」

「しかし、倒れてしまっては大変だ。たとえ君が元暗殺者だったとしても、二週間の監視という役目は体に負担を与えているはずだからな」

「・・・・・お気遣い、ありがとうございます。では、明日は一日休みをいただきます」

「そうしてくれ。おやすみ」

「はい。ごゆっくりとお休みください、王よ」



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