ひたすらに酒をあおった。とはいっても甘い果実酒しか飲めなかったから、ただひたすらにそれを飲んでいた。一升瓶あけたところでお腹がいっぱいになったのでやめて、私は気が向くまま真っ暗な外へとくりだす。
やはり夏であるから、いくら日が沈んでしまっている夜だとは言っても、風は生暖かいものであった。昼間に比べれば断然涼しい気温であるはずなのだが、はて。お酒のせいで体温でもあがっているのだろうか?
なんとなく、何かあったわけでもこれから何かがあるわけでもないのに気分が良くって、ふらふらとした足取りで泉へと向かった。そして空を見上げる。
「うおー」
満天の星空が視界いっぱいにうつりこんだ
たったそれだけであった
けれども気分はよかった。なんだか楽しかった。足音が後ろから聞こえたけれども、そんなの気にしない。私はひたすらに空を見上げた
「ななし」
「うん?あら、リンク。みてごらんよ、空きれいだよ」
てれてれと意味もなく笑う。しょうがない、いまのわたしは酔っ払いなのだから。
私の隣に並んで空を見上げたリンクは、わたしの言うとおりに顔を上に向けてそらを見ていた。視点はあまり、頑張ってもさだまらないのだけれど、星の光はそれでもしっかりと確認できるのだ。
こんな満天の星空を眺めながら、いのちを断つことが出来たならば。とても幸せなことなのだろうなあ
ぼんやりと思って、私はちょっとして首を左右に振る。さきほどまで良かった気分は、だんだんと落ち込んできて涙がでそうだった。しにたい、と、おもっているのだろうか。わたしは、
うまく安定した呼吸ができなくて、それが気持ちが不安定だからそうなるのか、飲みすぎから来るものなのかよくわからなかった。やがてリンクは顔を私に向けると、私の腕を掴んであきれたように笑う。
「なんて顔してるんだか。星ならいくらでも見れるし、一人でうだうだ飲んで落ち込むくらいなら、最初から俺を誘えばよかったのに」
「ううん、そうね、そう、なんだけれどもね、」
「バカだな」
「うん・・・・」
なんとも言い返せなくて黙りこんだ。それから死にたいって、私、人生で初めて、人前で呟いたのだけれど、リンクは私のことなんてまるでわかってましたと言わんばかりに、笑って、わたしをだきしめた。それはもうつよく、ぎゅうぎゅうとだきしめてくれたのだ。とても安心して泣いた。何が不安だったのかよくわからなかったけれども、もう不安じゃなくなっていた
「お酒臭い」
「んふふ、おいしかったよ、あのおさけ」
「全部飲んだのか?」
「うん」
「・・・・・・・心配だから送ってく」
「りんくの家がいいなあ」
「なんでだよ」
「リンクの家すきなんだあ。ベッド、かしてよ」
「はぁ・・・・今日だけだからな」