【R18】ふとした日常


リバ/甘い/致してるだけ






「んん…」
「無理させすぎたか?」
「大丈夫ぅ…」

と、言ったものの、腰の怠さは確かにある。
トールは体力があるから平気そう。つい先ほどまでお互いを貪っていたとは思えないほど元気だ。
俺は元々体力あんまりないし、今日は俺が受け入れる方だったから尚のこと体力を持っていかれてる。

「風呂、行くぞ」

よっという掛け声とともに、お姫様抱っこされる。
ぎゅっと抱きつくと満足そうにトールが微笑んだ。












「ほら、隅々まで洗ってやるから」

ゴシゴシと洗ってくれる。
そこに卑猥な手つきなどは微塵もなく、ただせっせと綺麗に洗ってくれた。
何か食器とか洗い物になった気分。
こんな風に優しく丁寧に洗ってもらえるなら、そういうのになってもいいかも…。

ざばぁ、とお湯をかけられて、泡が流れる。

「俺も…」
「いや、お前は疲れてんだからいいんだよ」
「やだ。やるの!」

静止するトールを遮ってスポンジで泡を作り、そっと体に這わせる。
トールがしてくれたように丹念に身体をこする。
背中、胸元、腰回りに手足…きわどいところもせっせと洗う。

トールは何でもないような顔をしてるけど…
実際どうなのかな。
俺もきわどいところに手が這ったときはドキドキしちゃったんだけど。

全身を洗ったところで、俺もお湯をかけてあげる。
逞しい肉体が姿を現し、じっと見つめる。

…。

「…いいなぁ」
「何がだ?」
「いや、トールは、筋肉すごいなって。羨ましい…さっきだってお姫様抱っこしてくれたでしょ?」
「別にお前は今のままでもいいんじゃねぇか?…ああ、まぁ…」

トールがじっと俺の身体を見つめる。

「今のままでも抱き心地いいけどよ、もうちょい食って、肉つけてもいいかもな。細くって折れちまいそうだ」
「………。俺、トールをお姫様抱っこできるようになる。ムキムキになる」
「は?!ああ、いや、ラフル…確かに俺はどんなお前でも愛する自信があるけどよ…人には向き不向きっつーか、似合う体型ってのがあってな…?」
「ううん、俺、頑張る」

むすぅ、と頬を膨らませる。
俺だってやればできるし!

…とりあえず、ムキムキは似合わないことくらい自分でもわかるから、トールが安心できるくらいの身体にはなりたいかも。折れそうって思われて、抱かれなくなったら嫌だし。

「よし!湯船入ろ」
「おう」

二人でゆっくりと湯船につかる。
ざぶん、とお湯が風呂釜から逃げてゆく。
立ち上る湯気にくらくらしてくる。

「ふぅ…」

そっとトールの足の間に入り込み、寄りかかる。
一緒にお風呂に入るようになった最初は気恥ずかしくて端っこに寄っていたけど、トールに誘われるままそこに座ると、以降は定位置になった。
トールも俺がここに来ると嬉しそうにニコニコするし。
…俺、トールが喜ぶことなら、なんでもやりたい…。

「はー…あったけぇな」
「うん…」

頭を預け、ぼんやりと浸かる。
トールも俺の肩に顎を乗せ、すりすりと擦り寄ってくる。

可愛い。

とっても可愛い。


…ちょっとだけ、いたずらしたくなってしまう。

「…」
「…っ、ラフル、あんまり動くなよ」
「んー?」

わざともぞもぞと動き、トールのものを刺激する。
すると、昂ぶりがだんだん大きくなってきた。

「…ね、トール」
「…なんだ?」

そっとトールに向き直る。

「イイコト、する?」
「…お前、疲れてんじゃなかったのかよ」
「水には浮力っていうのがあってね?」
「ったく…」

苦笑しつつも俺の提案に乗ってくれるトールが大好き

「今日は俺が入れられてばっかりだから…逆にしてみようよ」
「別にいいけどよ…できんのか?」
「む。できるもん」

膝立ちになり、トールにキスを仕掛ける。
咥内をじっくりと堪能すると、トールは快感に蕩けた顔になる。

「ふふ…かわいい…トールはキス大好きだもんね」
「…っ、あ…ラフルだから、な…」
「…ほんと可愛い」

そうしてまた、そっとキスを落とした。

















「ふ、ぁあ…っ」
「ね、この体位初めて、だけど、イイでしょ…っ?」

いわゆる対面座位の形でトールの中を突き上げる。
普段は無理な体位だけど、浮力のおかげで何とかなってる感じ。

「ひ、ぁ!やめ、そんな突きあげるな、よぉ…っ」
「ああもう、可愛い…っ」

トールの可愛い可愛い鳴き声に煽られて、律動が早くなり、どくどくと心臓が高鳴る。
もっと乱れさせたい。『俺』をその身で感じてほしい。
全部全部俺のものにしたい。

トールは俺のものだし、俺はトールのもの。
それは出会ってから今まで、積み重ねられていった確かな事実。

それでも人というのものは貪欲で、もっともっとと際限なく求めてしまう。

「可愛い…俺のトール…ふふ、俺だけの、もの。他の奴になんて、絶対あげない…っ」
「…っあっぁああ!う、わかって、る…俺は、お前のものだからぁ…っ」

ぎゅ、と抱きつかれる。

「中も、外も…全部ラフルで満たしてくれよ…っ」

その言葉と、うねる内部に、また昂ぶりの硬度が増した気がした。
そしてぐぐ、と奥まで突き上げ、己の欲望を内壁に叩きつけた。


「ぁ…ラフル…」
「…トール、だいすき」
「おれ、も…お前のこと、愛してる…」






その言葉ひとつで、俺は幸せで幸せで、たまらなくなるんだ。




















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