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「ふう」

 自室で変身を解いた甲斐は。額の汗をぬぐった。
 想像よりフレイムのレベルが上がっていた。ブラックナイトが敗れる日もそう遠くないかもしれない。
 まあ、まだ、負けてやるつもりはないけれど。
 少しだけ悔しくて、最後の攻撃は当初の予定より強めに放ってしまった。まあ死なない程度に加減してあるのだから許して欲しい。焔の週末は傷を癒すだけで終わってしまうだろうけど。

 さて、今日の戦いを見直そう。これも仕事のうちだ。でも、フレイムがブラックナイトを呼ぶところだけは重点的に見てしまうだろうなあ。


 ――ピンポーン


 誰だろう。
 モニターを確認する。
 そこには、正岡焔がいた。




「いててて、もっと優しくして」
「俺じゃなくて鶴見博士に頼めばいいだろ」
「わかってないなあ。恋人に優しく手当てしてもらいたいんだって」

 どういうわけか、甲斐のせいでついた傷を、甲斐が手当てさせられている。
 準備がいいことに救急セットを持参でやってきた焔は、にこにこしながらそれを甲斐に渡してきたのである。

 手当てしてわかったのだが、傷が少ない。
 擦り傷みたいなものはあちこちにあるのだが、ブラックナイトのあの攻撃を受けたにしては、少ないのだ。フレイムのあのボディに守られていたからかもしれないが、まだ加減しすぎていたようだ。

「ありがと」

 手当てが終わると、頬にキスされた。これがお礼だとでも言うのだろうか。

「甲斐、愛してる」

 正面から抱き締められる。
 ハグというのはストレスを消す力があるというのは本当らしい。
 ぼんやりとそんなことを考えていると、首筋に焔の唇が触れた。

「んっ」
「明日は日曜だから、ゆっくりしよう」

 ……もしかして、招き入れるべきではなかったのでは?

 後悔するがもう遅い。気がつけばベッドに押し倒されていた。
 見慣れた自分の部屋の、自分のベッドで、またあんなことをされるのか?

「……家族が、帰ってくるから」
「甲斐は俺と同じで一人暮らしだろ?」
「き、昨日から弟が来てて」
「甲斐は一人っ子だよね」
「…………」

 なんとかやめさせようとするが、下手な嘘はすぐにバレてしまう。
 そうしてる間にもどんどん服が脱がされていく。

「シャワー、シャワー浴びたいっ。汗かいたし!」

 ピタリと焔が止まる。これでほんの少しでも寿命が延びただろうか?

 ――ペロリ

「ひゃっ」
「大丈夫、甲斐の汗はいい匂いだし美味しいから」

 焔はとんでもないことに甲斐の脇を舐めたのだ。

「ひゃ、やだ、くすぐったい」

 そのままペロペロと舐められる。恥ずかしいしくすぐったいし、脇の下が唾液で濡れた感触が気持ち悪い。
 もう一方の脇も舐められる。

「や、……ん、あっ」

 くすぐったさに身をよじるが、止めてもらえない。
 焔はしばらく甲斐の脇を堪能して、やっと満足したのか、解放してくれた。

「可愛い、甲斐」
 耳元で名前を呼ばれるともう駄目だ。ぞくぞくして動けなくなる。

「今度は甲斐が舐めて?」
「んっ……ふぐっ」

 口内に何かを突っ込まれる。細長くて口には入りきらず、おそらく半分くらいは口外に出ている。プラスチックにしては柔らかい、シリコンか何かだろうか?

「ほら、ちゃんと濡らさないと」
「ふっ……ん、……ううぅ」

 ソレで口内をかき回される。得たいの知れないものから逃げようと舌を引っ込めるが、追いかけるようにそれが触れてくる。何だろう、これ。
 上顎をそれで撫でられるとまだ触れられてないペニスが熱を持つのがわかった。

「舐めてるだけで気持ち良くなっちゃった?」

 下着も奪われていたので隠すこともできず、慌てて手で覆い隠そうとする。が、甲斐の手ごとそこを握り込まれてしまう。

「ん……うぅ、……ふっ」
「エロい顔……」

 口の中のものを引き抜かれる。口内に溜まっていた唾液がこぼれ落ちて、シーツを濡らす。
 ……頭がぼうっとする。

「ほら、足開いて」

 開かされた足の間に、先程まで口内に入っていたそれが押し当てられる。

「んっ」
「力抜いて……」

 先週散々入れられた焔のものとは違う。少し細いそれは抵抗なく甲斐の中に押し込まれていった。



  


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